食事や水分にトロミをつけるのはなぜ?

今回は、NST委員会に所属する言語聴覚士の立場から、病院食におけるトロミについて解説をさせていただきます。

高齢で飲み込みの力が落ちた患者さんには、トロミをつけた水分や食事を提供することが多くあります。では、なぜトロミをつけるんだろう? そんな風に皆さん疑問に思われたことはないですか?
トロミをつけることによるメリットは、大きく分けて以下の2つになります。

①食べたものが喉に落ちるスピードを調節し、口から気管に食物や水分が垂れ込むことを防止する
②食べ物全体にまとまりをつけることで、食べやすくする

大まかなメリットは以上ですが、留意する点もあります。それは、トロミをつけすぎることで喉の部分に食べたものが多く残留してしまい、窒息や誤嚥(飲み込んだものが食道でなく気道を通して肺に行ってしまうこと)の原因となることです。
これを防ぐために、病院では「ポタージュ状(薄いとろみ)」「ハチミツ状(中間のとろみ)」などのトロミ形状を用意し、常に患者さまの能力にあわせたトロミを提供できるような環境を整えています。そして、患者さんの飲み込みの能力をチェックするために、私たち言語聴覚士が病院で日々評価を行っています。

今回はトロミについて解説をさせていただきました。トロミについて疑問を感じられた皆さんの参考になれば幸いです。

言語聴覚士M

今年度1回目 NST勉強会

今年度1回目のNST勉強会は、第7波の中、感染対策を行いながら開催しました。

内容は、耳鼻咽喉科・頭頸部外科部長 荒木先生による「嚥下の病態と生理~学ぼう!嚥下のしくみ~」でした。

嚥下のしくみから、喉頭内視鏡の動画を使った講義まで興味深い内容で、多くの職種が参加する有意義な勉強会となりました。
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