災害時、認知症高齢者へどう対応する?~地域ケア会議を実施~

9月11日、アスニー山科にて、高齢サポート・音羽 音羽地域包括支援センター主催による令和6年度第1回地域ケア会議(日常生活圏域レベル)※が行われました。
災害時の避難所における認知症高齢者への対応~今こそ、共生社会の実現を~」をテーマに、音羽包括圏域の民生委員や老人福祉員、居宅介護支援事業所のケアマネジャーをはじめとする介護サービス事業所職員、山科区役所をはじめ関係機関の職員など、総勢約50人が参加されました。
地域ケア会議(日常生活圏域レベル)…個別ケースの積み重ねから発見される地域の課題 について整理・解決策の検討を行う会議

前半は、洛和会の介護事業部 認知症ケア推進課  課長 川嶋 真理子が講師を務め、認知症の原因となる病気にもさまざまな種類があり、治療法や必要なケアも異なることや、災害時の避難所における認知症の方の心理状況や起こりうる困りごとなど、実例を挙げながら講演しました。

後半は、音羽地域包括支援センター職員が”避難所生活を強いられて怒っている高齢者に対し周囲がどう接するべきか”をロールプレイング形式で提示し、参加者がグループディスカッションを行いました。

テーマをわかりやすく演じる様子
活発なディスカッションが行われました
グループの代表者がそれぞれ発表

ディスカッションの後、各グループの代表者が意見をまとめて発表し、議論の内容や考察した結果を全員で共有しました。

皆さんの発表の後、会議にも参加していた洛和会認知症医療支援センター 参与 木村 透が、医療の進歩により認知症も早期であればさまざまな治療法が出てきていること、増加する独居の高齢者を地域としてどう守っていくかなどについて、医師としての視点から述べました

洛和会認知症医療支援センター 参与 木村 透

最後に講師の川嶋が、「説得ではなく、ご本人が”納得する”話し方が大切。自分がイライラすると相手にも伝わり不安にさせてしまうので、災害時において避難所が少しでも落ち着ける場所になるよう、スケジュールを目につくところに掲示したり、ゆったりした口調で短文で話したり、工夫しながら接するようにしましょう」と締めくくりました。

このような地域ケア会議は、年に2回開催されています。
認知症の方もそうでない方も、地域の皆さんが尊厳を保持しながら希望を持って暮らせるよう、今後も取り組んでまいります。


(写真左)今回の講師を務めた、洛和会ヘルスケアシステム 介護事業部 認知症ケア推進課 課長 川嶋 真理子
(写真右)地域ケア会議主催 高齢サポート・音羽 音羽地域包括支援センター 統括 吉家 美都子

 

公開日時 : 2024年09月25日 (水)

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