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第2回/第3回 NST勉強会

今年度も新型コロナウイルス感染症の感染拡大防止に配慮しながら、NST勉強会を開催しています。

第2回目は、耳鼻咽喉科・頭頸部外科部長 荒木先生による「嚥下の病態と生理~学ぼう!嚥下のしくみ~」でした。

嚥下のしくみから、喉頭内視鏡の動画を使った講義まで興味深い内容でした。

また、多職種や栄養サポートチームとの連携の重要性も学ぶ機会となりました。

第3回目は歯科衛生士による「口腔ケア」でした。実際にスポンジブラシを使用した実習を行う事で、口腔ケア時のポイントを知る機会となりました。

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急性期病院でおこなう嚥下評価、嚥下訓練とは?

今回は、病院での食事評価に携わる言語聴覚士の立場から、「嚥下評価」「嚥下訓練」について説明をさせていただきます。

皆さんは「嚥下(えんげ)」という言葉を聞いたことがありますか?嚥下とは、飲食物を口から飲み込むことを言います。ひとたび嚥下の障害がおきると、飲み込むことができずに誤嚥(ごえん)を起こしたり、栄養不足になる恐れがあります。そのため、急性期病院に入院した際には、言語聴覚士による嚥下評価と訓練が非常に重要になってきます。

嚥下評価とは、主に言語聴覚士が患者さんの嚥下機能を評価することです。評価の方法としては、水分や食物の飲み込みテストや嚥下内視鏡検査があげられ、これらを行う事で、飲み込む際にどのような問題があるかを調べます。また、口腔内や喉頭に炎症や異物がある場合は、それらが嚥下障害の原因となることもあります。評価の結果をもとに、患者さんに合わせた食事の提供方法や嚥下訓練を行います。

嚥下訓練は、言語聴覚士が患者さんに対して行うトレーニングのことです。患者さんに合わせた食材や飲み物を用いたり、食事を噛んだり飲み込んだりする際につかう筋肉の動きをトレーニングします。また、姿勢や呼吸の方法なども重要になります。訓練を通じて、嚥下機能を改善し、誤嚥や栄養不良を防ぐことが、言語聴覚士の重要な仕事になってきます。

音羽病院では、ジェントルスティムという低周波を使用した機器や、舌圧測定装置という舌の力を測る機器なども用いて、患者さんそれぞれの症状に合わせた形で嚥下訓練をすすめています。

急性期病院に入院した際には、嚥下障害のリスクが高い方が多くおられます。例えば、高齢者や脳卒中患者、食道癌の手術後などが該当します。このような方には、言語聴覚士が早期から嚥下評価を行い、嚥下障害が見つかった場合には、嚥下訓練を行うことで、誤嚥や栄養不良のリスクを減らすことができます。

また、嚥下障害は自覚症状がない場合が多いため、普段から患者さんが意識して自分自身の飲み込みに注意することも大切です。食べ物を十分に噛む、水分を十分に摂る、なるべく集中できる環境で食事をとるなど自己管理につながる働きかけも必要になってきます。

家族や介護者の方も、嚥下障害のリスクがある方を支えるために、嚥下評価や訓練について理解しておくことも重要です。言語聴覚士だけでなく、看護師や医師との連携も必要となってきます。

今回は、急性期病院でおこなう嚥下評価、嚥下訓練とは?というテーマについて解説をさせていただきました。

今後もNSTブログでは、活動内容の報告とともに、NSTに関わる職種からさまざまな情報を発信させていただきますので、ぜひチェックをしていただけたらと思います。

 

言語聴覚士 M