家庭でできる飲み込み能力の簡単チェック方法

皆さんは「嚥下」という言葉を聞いたことはあるでしょうか?
嚥下(えんげ)とは、食べ物や飲み物を安全に飲み込む行為のことです。
これがうまくいかないと、誤嚥(ごえん)-つまり、食べ物や飲み物が誤って気管に入る状態-が発生するリスクがあり、健康上の問題を引き起こす可能性があります。

今回は、ご家庭で行える簡単な飲み込み能力のチェック方法を、言語聴覚士の立場から、お伝えさせていただきます。

1.水の飲み方の観察

  • 一口の水を飲む:まず、普通の速さで一口の水を飲んでみてください。
    この際、むせたり、咳をしたり、水を飲むのに異常に時間がかかったりしないかを観察します。
  • 連続して水を飲む:次に、数口連続して水を飲むことで、繰り返しの嚥下動作がスムーズに行われるかをチェックします。

2. 食事中の様子の観察

  • 飲み込む際の様子:食事中、特に硬い食べ物や粘り気のある食べ物を食べる際の飲み込み方を注意深く観察します。食べ物を口の中で長時間動かしている、一度に飲み込む量が少なすぎる、または多すぎるなどの異常がないか確認します。
  • 食後の咳やむせ:食事の後、特に横になった後に咳き込むことが多い場合は、食べ物が気管に入る誤嚥が生じている可能性があります。

3. 話し声の変化

  • 声の質:食事や飲み物の後、声が「ガラガラ」とするか、いつもと異なるかを確認します。
    これは食べ物や飲み物が喉の奥、特に声帯周辺に残っている可能性を示唆します。

4. その他のサイン

  • 顔色や呼吸:飲食時の顔色の変化や呼吸の苦しさも、嚥下に問題がある可能性の指標です。
    特に、飲食中に顔が青白くなる、息が苦しいなどの症状は重要なサインです。

もし何か気になる症状があれば、専門医や言語聴覚士の診断を受けることを強くお勧めします。
早期発見、早期対応が、嚥下障害のリスクを減らす鍵となります。
毎日の食事を通じて、小さな変化に気を配ることが大切です。

第2回/第3回 NST勉強会

今年度も新型コロナウイルス感染症の感染拡大防止に配慮しながら、NST勉強会を開催しています。

第2回目は、耳鼻咽喉科・頭頸部外科部長 荒木先生による「嚥下の病態と生理~学ぼう!嚥下のしくみ~」でした。

嚥下のしくみから、喉頭内視鏡の動画を使った講義まで興味深い内容でした。

また、多職種や栄養サポートチームとの連携の重要性も学ぶ機会となりました。

第3回目は歯科衛生士による「口腔ケア」でした。実際にスポンジブラシを使用した実習を行う事で、口腔ケア時のポイントを知る機会となりました。

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