病院から在宅生活へ、安心して暮らせる地域づくり ~地域包括ケア病床を増床~

病院から在宅生活へ、安心して暮らせる地域づくり ~地域包括ケア病床を増床~

洛和会音羽リハビリテーション病院は、地域で医療・介護・予防・住まい・生活支援が包括的に確保できる「地域包括ケアシステム」の一翼を担っています。
変化する地域のニーズに対応するため、この4月から地域包括ケア病床を増床しました。

地域包括ケアシステムの必要性

地域包括ケアシステムとは、高齢者が重度な要介護状態となっても住み慣れた地域で自分らしい暮らしを最期まで送ることができるよう、地域一体で支援する体制のことです。超高齢社会の日本は、2025(令和7)年には国民の4人に1人が75歳以上という状況に突入します。そのため、医療や介護の面で生じうるさまざまな課題を解決すべく、高齢者の支援を目的とした総合的なサービスを地域に提供する「地域包括ケアシステム」の構築が必要とされています。また、高齢者の増加と担い手の減少などにも地域差があるため、各地域の特性に合わせたサービスが求められています。

ニーズに応え、病床の再編へ

このまま高齢化が進めば医療へのニーズはさらに高まり、対応できる病床や人員の確保が難しくなると予想されます。そのため、手術などを受けた後の亜急性期や回復期の病床を増やし、十分なリハビリテーションなどを行い、その先にある介護保険施設での療養や在宅復帰につなげていく、というのが国の政策の方向性です。

そこで国の方針と地域のニーズに応えるべく、当院では、2022年から地域包括ケア病床を増床し、亜急性期・回復期の支援強化へと踏み出しました。病床を増やしたことで、急性期医療を受けた方や、在宅生活で状態が悪くなられた方の入院を受け入れやすくなりました。また、介護者の休息のための「レスパイト入院」や、神経難病患者さんのリハビリテーションを目的とした「リハビリテーション入院」も随時受け入れています。

在宅医療の体制を整備

多くの方が自宅など住み慣れた環境での療養を望んでおられます。そのため当院では在宅医療支援センターを設け、訪問診療や訪問リハビリテーションを実施し、退院後も生活の質を維持できるよう支援しています。

2035年 健康先進国の実現へ向けて

すべての人が安心して生き生きと活躍し続けられるようにさまざまな生き方に対応できる保健医療システムをつくることを目指し、国は「保健医療2035提言書」を発出しました。そこでも重要視されているのが医療・福祉における多職種連携です。
当院では、入院医療から在宅復帰までを円滑に進めるために、医師・看護師・薬剤師・リハビリテーション職、医療ソーシャルワーカー、ケアマネジャーを含む介護職などが多職種で連携し、切れ目のないケアを目指し取り組んでいます。
患者さんにとっての価値に基づき、地域の実情に応じながら、より良い医療を享受いただけるよう、これからも努めてまいります。

充実したリハビリテーションの提供を

バリエーション豊かな設備

当院3階には入り口の壁一面はガラス張りで、奥にはテラスもある、明るく開放的な「リハビリテーションセンター」があります。屋外に設置されたリハビリテーションガーデンでは飛石、横断歩道、階段、スロープ、線路模様の段差が設けられ、陽差しを浴びながら、リハビリテーションをしていただけます。

リハビリテーションをサポートする専門職

リハビリテーションの専門職である理学療法士(PT)・作業療法士(OT)・言語聴覚士(ST)が約100人超在籍し、患者さんと二人三脚でリハビリテーションを行います。そのほか、医師・看護師・医療ソーシャルワーカー(MSW)・管理栄養士などの多職種が患者さんのケアを支える一つのチームとなり、在宅復帰を後押しします。

4月から制服が新しくなりました

音楽が持つ力でリハビリテーション

洛和会ヘルスケアシステムには洛和会京都音楽療法研究センターが設置されており、音楽療法士が当会内外で幅広く活動しています。当院では医師、看護師、リハビリテーションスタッフと連携・協働しながら、患者さんとご家族のために最善のケアを目指して「聴く」「奏でる」「創る」「語る」といった音楽が私たちに働きかける力を活用し、患者さんの身体面や心理精神面をサポートしています。

訪問リハビリテーション

在宅療養を継続される患者さんが、安心して自分らしい生活を送れるよう、「住み慣れた環境」「暮らしたい環境」に合わせてリハビリテーションの専門スタッフがご自宅へお伺いし、短期・集中的なリハビリテーションサービスを提供します。また、入院リハビリテーションスタッフと訪問リハビリテーションスタッフが連携し、退院後の生活がスムーズに過ごせるように支援します。

院長からのコメント

洛和会音羽リハビリテーション病院
院長 兼 リハビリテーションセンター センター長 堀井基行(ほりい もとゆき)

洛和会音羽リハビリテーション病院は、2015年(平成27)年4月に開設されてから、“地域包括ケアを支えるリハビリテーション病院”という理念のもと、急性期医療を受けた方々へ集中的なリハビリテーションを行い、在宅復帰支援に努めてまいりました。
超高齢社会において、在宅療養をされている方々の病状悪化時の入院対応、訪問リハビリテーション、訪問看護などの在宅医療、介護者への支援(レスパイト入院)など、多角的な支援がますます必要とされています。今後も、地域の医療機関や介護サービスとさらに緊密な連携を取り合いながら、安心して生活できる地域づくりに尽力してまいります。

看護部長からのコメント

洛和会音羽リハビリテーション病院
看護部長 戸倉さゆり(とくら さゆり)

洛和会音羽リハビリテーション病院 看護部では、当院理念である「地域包括ケアを支えるリハビリテーション病院」を目指し、地域を“大きな病棟”、当院を“スタッフルーム”に見立て、住み慣れた地域で療養を継続される方々に直接、ケアを届けるための体制づくりに取り組んでいます。
在宅療養支援病院の看護部として、地域からの多様なスタッフコール(要請)に応えてまいります。今後とも何卒よろしくお願いいたします。

お問い合わせ

洛和会音羽リハビリテーション病院
075(581)6221(代)

洛和会音羽リハビリテーション病院 地域連携課
075(581)6868

神経難病相談窓口 担当/日本難病看護学会認定 難病看護師
075(581)6221(代)
神経難病の患者さんやそのご家族が自宅で暮らすためのご相談や、サポートする立場の方が患者さんのニーズに応えられる支援やシステム構築を行うために必要なことについてのアドバイスなど、経験豊富なスタッフが対応します。

認知症電話相談窓口 担当/認知症看護認定看護師
075(581)6221(代)
専門的な知識を持った看護師(認知症看護認定看護師)が患者さんやご家族からの療養生活上の相談をお伺いする電話相談窓口です。

地域リハビリテーションの相談窓口 担当/リハビリテーション部
075(581)6221(代)
地域の介護支援専門員や介護職員、地域包括支援センターや福祉施設などで働く職員の方々からのご相談をお受けしております。
患者さん・利用者さんからの直接の相談はお受けできませんのでご了承ください。

<受付時間>
月~土曜日 午前8時30分~午後5時15分
※ 日曜日・祝日・年末年始(12月30日~1月3日)はお休みをいただいております。

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