生活習慣と心臓病

生活習慣と心臓病

今回お話を聞いたのはこちら

洛和会丸太町病院
洛和会京都血管内治療センター・心臓内科
センター長 浜中 一郎

日々の食事や運動などの生活習慣は、日本人の死因の上位を占める、がんや脳卒中、そして心臓病と深く関わっています。今回は、心臓の病気と関わりについてお話しします。

狭心症・心筋梗塞などの心臓病

高血圧や糖尿病、悪玉コレステロールの高値、さらには肥満などにより全身の血管の動脈硬化が進行します。動脈硬化が進行すると、心臓の血管(冠動脈)も狭くなり血液の流れが悪くなることで、狭心症や心筋梗塞などの虚血性心疾患を引き起こします。生活習慣としては、喫煙のほか、動物性の油に多く含まれる飽和脂肪酸の取り過ぎ、塩分過多、運動不足、ストレスが虚血性心疾患のリスクを高くします。残念ながら、一旦進行した動脈硬化を元に戻す薬はありません。日頃の生活習慣を改善し、右のような危険因子をなくすのが最も効果的な予防方法です。バランスの取れた食事と適度な運動を取り入れ、生活習慣の改善を目指します。まずは普段の生活を改善し、動脈硬化の進行を予防するよう心掛けましょう。

全身の動脈硬化性疾患を対象とした血管内治療

本来血管は弾力があってしなやかなものですが、動脈硬化とは血管が狭くなったり硬くなったりする病気です。具体的には、血管の壁の内側の細胞(内皮細胞)が傷つき、その部分にコレステロールなどの物質がたまる(粥腫)病気のことです。特に問題となるのは、冠動脈、頸動脈、腹部動脈、四肢の動脈であり、以下のような疾患につながります。

こうした動脈硬化性疾患に対する「血行再建術(弱まった血流を回復させる)」の一つとして「血管内治療」があります。聞き慣れない言葉かもしれませんが、血管内治療というのはカテーテルを用いた治療、すなわちカテーテル治療のことです。

 

カテーテル治療の歴史

カテーテル治療は局所麻酔で施行でき大きな傷跡を残すことなく出血も少ないことから、体への負担が少なく短期間の入院で治療を完了できます。そうした利点から急速に発展し、今では約40年の歴史ある成熟した治療となっています。洛和会丸太町病院では、急性心筋梗塞に代表される緊急症例に対するカテーテル治療を24時間365日の受け入れ体制で対応するとともに、治療の難易度が高いとされている複雑病変へのカテーテル治療も積極的に行い、これまで国内のインターベンション治療をリードしてきました。また、四肢の血管や、透析ブラッドアクセスへのカテーテル治療についても豊富な治療経験を有しています。

冠動脈(心臓の血管)に対するカテーテル治療

シネアンギオ装置 先進画像処理テクノロジーを搭載した新型の血管撮影装置。

狭くなった冠動脈病変に対しバルーンやステントを用いて治療を行います。また、高度な石灰化を有する病変(高度石灰化病変)に対するロータブレーター(高速回転アテレクトミー)や、動脈硬化部位を削り取るDCA(方向性アテレクトミー)などが必要となることもあります。さらには最も難易度の高い閉塞後に数年以上経過している病変(慢性完全閉塞病変)も含めて、あらゆる病変に対する治療を行っています。洛和会丸太町病院 洛和会京都血管内治療センター・心臓内科は医師が全員、冠動脈治療を担当しており、急性心筋梗塞や不安定心筋症など、緊急を要する心臓病に対する治療が24時間いつでも対応できる体制です。また、治療には造影剤を使用しますが、造影剤の使用は腎臓への影響が心配されます。そのため、腎臓の働きが弱っている方にも安心して治療を受けていただけるように、間欠的高灌流持続的血液ろ過治療を他院に先駆けて開始しました。また、最新のシネアンギオ装置を使用することにより、放射線被ばくの低減にも努めています。

四肢の血管に対するカテーテル治療

近年、心臓病以外にも全身の動脈硬化による病気が増加しています。下肢動脈の動脈硬化は、特に高齢になるに従い運動不足などが原因となり引き起こされます。歩行時にふくらはぎに痛みを感じたり、足先にできた傷がなかなか治らない場合は、下肢の動脈が閉塞して血流が低下している可能性があります。大腿動脈や膝下動脈が閉塞を起こすと、治療に難渋したり、また、カテーテル治療がうまくいったとしても下肢の切断を免れなかったりするケースもあります。当院では、長期間閉塞した病変に対しても積極的に治療を行い、高い成功率を維持しています。また、必要に応じて当会の京都下肢創傷センターと連携をとり、適切なタイミングでの形成外科治療を行っています。

多職種連携によるチーム医療

医療のレベルは医師の技量だけで決まるものではありません。当院では医師だけでなく、看護師、薬剤師、臨床検査技師、理学療法士、臨床工学技士、管理栄養士、医療ソーシャルワーカー(MSW)といったあらゆる分野のスタッフが一体となってチーム医療を実践しています。それぞれの専門スタッフが適切なタイミングでサポートすることで、入院前の検査、入院中の栄養指導、リハビリテーションはもちろん退院後の生活指導も含めサポートを行います。

 

外来診療の流れ

胸部の違和感、胸痛、動悸、労作時の強い息切れや手足のむくみなどがあれば、受診してください。その日のうちに心電図、エックス線、心臓エコー、血管エコー、さらには血液検査などを行います。その上で追加の検査が必要となった場合には、心臓CTや長時間心電図検査(1日もしくは1週間)を受けていただきます。これらの外来での検査の結果、カテーテル治療が必要と判断された場合には、入院のご相談をします。カテーテル治療では、場合によりますが通常2~3日の入院で治療を行います。また、透析患者さんのシャント血管の治療は日帰りでも行っています。心臓に不安を感じていらっしゃる方は、一度外来にてご相談ください。

お問い合わせ

洛和会丸太町病院
洛和会京都血管内治療センター・心臓内科
TEL 075(801)0351(代)

洛和会丸太町病院 地域連携課
TEL 075(801)0372
FAX 075(801)0322

洛和会音羽病院
TEL 075(593)4111(代)

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