「もったいない」から生まれた 生きがい・働きがい 【ホテルオークラ京都×洛和会音羽病院】

「もったいない」から生まれた 生きがい・働きがい 【ホテルオークラ京都×洛和会音羽病院】


同じ“京都”で事業を展開する「ホテルオークラ京都」と「洛和会音羽病院」
2つの企業がタッグを組んで展開している環境課題解決への取り組みが、多角的な効果をもたらしています。

櫛・ブラシを活用したリハビリとSDGs

今まではホテルで廃棄されていた使用済みの櫛やブラシをご提供いただき、院内で洗浄・消毒したうえで、リハビリテーション部の作業療法士が入院患者さんの整容動作訓練※で使用。リユースによるゴミの削減だけでなく、患者さんや職員の気持ちに大きな変化が生まれています。
※整容動作訓練…自助具や福祉機器を活用しながら、歯磨きや洗顔など整容動作の向上を目指す訓練。

患者さんの変化

― 患者さんの活力が向上!
「何もしたくない」と言っていた患者さんが、自発的にブラシで髪を整えるようになり「ずっと寝てたらあかんな」とリハビリテーション(以下、リハビリ)に取り組むように。

― リハビリ拒否に変化が
ベッドの上から動けず、介助で体に触れると「痛い」とリハビリを受け入れなかった患者さんに鏡と櫛をお渡し。調子の良い日には、自身で髪をとかれる姿が見られるようになりました。痛みの訴えなく物を持てるのはめずらしく、うれしい驚き!

職員の声

• 皆さんとても喜んでくださり、キラキラの笑顔でリハビリを受けてくださいます。(作業療法士)
• 使用後はプレゼントします、とお伝えすると「退院しても家で使うわ!リハビリ頑張らなあかんな」と言ってもらえました。(作業療法士)
•お風呂介助のときに利用させてもらっています。きれいになると、患者さんも私たちもうれしくなります。(認知症治療病棟 看護師)

発案者の思い

洛和会音羽病院 リハビリテーション部
課長 篠田 昭(しのだあきら) 作業療法士

コメント

今回の企画は“使えるものが増えると訓練内容が変わる”がテーマです。
作業療法士に“引き出し”が増え、それが目に見えて患者さんの順調なリハビリに表れています。
長い時間ベッドの上で過ごす入院患者さんの中には、枕にこすれて髪が絡まり、ほどけなくなる方も。
“自分らしい”生活を送るためにも、生活習慣を整えることはとても大切です。
当院は感染対策が厳しく、近年はリハビリで櫛は使用していませんでしたが、消毒方法などについて感染防止対策室に確認し、当院の感染対策基準に準じて使用可能に。当会の他病院や介護事業部の参画も進んでいます。
誰もが笑顔になれるこの取り組みがさらに広がっていくよう、これからも励んでまいります。

ホテルオークラ京都のスタッフの皆さまにもお話を伺いました

社内にESG企画推進委員会を組織し、ESG※にかかる取り組みも積極的に活動されているホテルオークラ京都。
細かいゴミの分別はもちろん、生ゴミ処理機を導入しているほか、4月からはわら素材を約30%含み、
プラスチックの使用量を削減したブラシを導入するなど、非常に環境への配慮をされています。
このたび、「廃棄していたアメニティが有効活用されるのであれば、目指している方向性と合致する」と洛和会音羽病院からの提案にご快諾いただきました。
※ESG…持続可能な世界の実現のために、企業の長期的成長に重要な環境(E: Environment)、社会(S: Social)、ガバナンス(G: Governance)の3つの観点。

 

総務部 庶務課
課長 橋本 容子(はしもとようこ)さま

コメント

想像していた以上の効果で、リハビリの訓練だけでなく患者さまにとって何かのきっかけになっていることが今回の“気付き”です。きっと、世の中にこういったきっかけ
がたくさんあると感じています。
ホテルと医療に限らず、新しいマッチングが生まれる先駆けになればと期待しています。

宿泊部 客室サービス課
課長代理 目黒奈津子(めぐろなつこ)さま

コメント

お引き渡し後の経過報告で、これまで廃棄していたものがたくさんの笑顔を生んだとお聞きし、本当にうれしく思います。
回収作業などで別段業務が複雑になったわけでもなく、一石二鳥、三鳥の企画だと思います。

宿泊部 接遇課
課長代理 松尾 領子(まつおりょうこ)さま

コメント

「ホテル」と病院の「ホスピタル」は同じ「ホスピタリティ」が語源となっているそうです。
業種は異なりますが、お客さまや患者さまを思う取り組みとして、これからも視点を変え、発展していきたいです。
とても勉強になりました。

 

当会ではこれからもSDGsの取り組みをはじめ、地域や他業種との交流を積極的に行ってまいります。

お問い合わせ

洛和会音羽病院 リハビリテーション部
075(593)4217

ホテルオークラ京都
〒604-8558
京都市中京区河原町御池
地下鉄東西線「京都市役所前駅」3番出口(ホテル地下2階と直結)
075(211)5111(代)

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