チーム医療でも力を発揮! 管理栄養士の活躍

チーム医療でも力を発揮! 管理栄養士の活躍

当会の施設では、医師、看護師、薬剤師、管理栄養士、リハビリ職、歯科衛生士などの多職種で構成された栄養サポートチーム(NST/ Nutrition Support Team)の発足や入院病棟への管理栄養士の配置など、最適な栄養管理の提供に努めています。
その中でも今回は管理栄養士にクローズアップしてご紹介します。

管理栄養士と言語聴覚士が協働でサポート
洛和ヴィラアエル(介護老人保健施設)+洛和会音羽記念病院

洛和ヴィラアエル 栄養科
副係長 松浦 友香(まつうら ゆか)

多職種連携だからこそできること

透析患者さんが多く入所されている洛和ヴィラアエルでは2019年から、洛和会音羽記念病院の言語聴覚士が定期的に利用者さんの嚥下(えんげ)機能の評価・訓練を行い、その評価をもとに食事形態が適切かを管理栄養士が確認する、ミールラウンドを月2回実施しています。
言語聴覚士の評価を踏まえ、管理栄養士がケアの見直しを看護師や介護職に提案・相談するなど、多職種で連携し、多角的な視点から栄養管理を行っています。

できる限り食の楽しみを

透析患者さんは、塩分量など食事に制限が必要な方が多く、嚥下機能が低下するとさらに制限を加えることになり、「食べる楽しみ」から遠ざかってしまいがちです。誤嚥(ごえん)があったからペースト状のおかずに変更というのは簡単ですが、能力以下の食事を食べ続けると、本来食べられていたものを食べる能力も低下してしまうため、リスクの許容度を正確に判し、より希望に近い食事を取っていただけるよう努めています。
例えば「ケーキが食べたい」という希望に対して、嚥下能力的にスポンジが難しい場合はムースを使って提供するなど、難しい要望でも断るのではなく、代わりのものを提案し、「食べたい」という思いに少しでも応えられるよう工夫しています。

 

洛和会音羽記念病院 リハビリテーション部
言語聴覚士 亀井 福子(かめい ふくこ)

NSTの活動における言語聴覚士の役割

食事には窒息や誤嚥というリスクがいつでも潜んでいます。「食事が毎日の楽しみ」という利用者さんもたくさんおられます。
言語聴覚士が評価した問題点や利用者さんの食事に対する希望をもとに、管理栄養士など他職種スタッフとコミュニケーションを図りながら、安全性に配慮した食事を選択しています。
食事の楽しみとリスクのバランスを取りながら、安全で1日の楽しみとなるような食事の調整を目指しています。

病棟スタッフの一員としての誇りと喜び
洛和会丸太町病院

洛和会丸太町病院 栄養管理室
主席係長 榊 容子(さかき やすこ)

退院後の生活も確立できるように

洛和会丸太町病院の栄養管理室では、2018年から転院される嚥下障害のある患者さん、2019年からは退院して施設に戻られる患者さんに栄養情報提供書の発行をしています。
実際にどのように利用されているか介護事業部との会議で確認し、様式の改善も重ねてきました。
どんな状態の食事をされていたかを的確に引き継ぐことで、退院後のQOL(生活の質)向上を目指しています。

業務の幅が広がっています

2018年から管理栄養士の病棟担当制が導入され、定期的なラウンドを実施。
患者さんと顔の見える関係を築き、「榊さん」と呼ばれると、改めて病棟の一員だと実感することができるんです。
看護師や言語聴覚士と一緒に食事中の様子チェック、栄養指導や食事の変更提案、ご家族への嚥下食の作り方の説明(実際に目の前でやってみることも!)など、仕事内容の幅が広がり、やりたいことをやらせてもらっています(笑)。
業務効率化のため、病棟用のカートも購入してもらいました! 相談員の方から声を掛けてもらうなど、医師や看護師だけでなく、さまざまな職種の職員、そしてたくさんの患者さんから必要としていただけることにやりがいを感じますね。
これからも日々自己研さんしながら、いろんなことや人に関わっていきたいです。

栄養を取り続けることが大切
洛和会音羽病院

洛和会音羽病院 栄養管理室
副係長 馬塲崎 仁美(ばばさき ひとみ)(ICU/CCU 担当)

ICU/CCU 病床への管理栄養士配置

手厚い看護を必要とされる重症の患者さんが入院されるICU(特定集中治療室)/CCU(冠疾患集中治療室)では、多職種スタッフと連携し、早期から栄養管理に取り組んでいます。
患者さんの栄養状態の改善は、治療を円滑に進め、在室日数の短縮や合併症発生の抑制にもつながります。
在宅復帰を目指す患者さんの退院後を見据えた、きめ細やかな栄養管理を行いたいと考えています。

 

 

 

洛和会音羽病院 栄養管理室
主席係長 石田 のりこ(いしだ のりこ)(SCU 担当)

SCU 病床への管理栄養士配置

脳卒中の患者さんが入院するSCU(脳卒中集中治療室)では嚥下機能が落ちている方が多く、管理栄養士が患者さんの状態や、思いに寄り添って多職種スタッフと相談しながら、食事形態などを調整しています。
また、早期から栄養管理を行うことでリハビリが促進でき、結果的にサルコペニア予防にもつながると考えられています。

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