患者さんとともに歩む 肺がんチーム医療

患者さんとともに歩む 肺がんチーム医療

患者さんとともに歩む 肺がんチーム医療

肺がんは男性に多く、全がん種のなかで死亡者数が一番多いがんです。洛和会音羽病院では、呼吸器内科呼吸器外科放射線治療科が協力して患者さんに適切な治療を行っています。

肺の機能と肺がんの特徴

肺は脊髄、胸骨、肋骨に囲まれた胸郭の中にある器官で、気管・気管支を通ってきた酸素と静脈血が全身から運んできた二酸化炭素とを交換しています。左肺の上葉と下葉、右肺にはそれに中葉を加え、5つの袋に分かれています。肺がんは近年、増加傾向にあります。がん種別では死亡者数がもっとも多いがんとして知られており、特に早期の肺がんは胸部エックス線検査では見つけにくいことも一因であるといわれています。また、男性に多い傾向があります。肺がんになる原因はさまざまですが、たばこを吸わない人に比べて、吸う人は男性では4.5倍、女性では4.2倍肺がんになりやすいといわれています。

呼吸器内科 がんの広がりを精密に検査

気管視鏡検査

健康診断などで胸部のエックス線撮影により、肺がんを疑う陰影を認めた場合、まずは転移の評価も兼ねて胸腹部造影CTを撮影します。骨転移やリンパ節転移の評価にはPET-CT検査、微小脳転移の検出には造影MRI検査が有用です。組織診断の際、超音波気管支鏡を用いて病変に鉗子を誘導(EBUS-GS)し、生検を行います。そのほか転移の疑われるリンパ節に対して超音波気管支鏡下に針生検( E B U S -T B N A )を行います。病変の局在によっては放射線科に経皮生検を依頼し、診断確率の向上に努めています。早期がん(ステージⅠやⅡ)の場合は手術や放射線治療、早期肺がんと確定した場合は呼吸器外科や放射線治療科に治療を依頼し根治を目指します。治療方法については、がん患者さん一人一人に適切な治療が行えるよう、呼吸器内科、呼吸器外科、腫瘍内科、放射線治療科といった多診療科が集まって、キャンサーボード(会議)を開いて決定します。


洛和会音羽病院 呼吸器内科 部長
土谷 美知子(つちや みちこ)

専門分野

慢性呼吸不全患者に対するNPPV、
びまん性肺疾患の診断・治療、呼吸器疾患全般

専門医認定・資格など

●日本内科学会認定内科医/総合内科専門医/指導医
●日本呼吸器学会専門医/指導医
●日本呼吸ケア・リハビリテーション学会代議員
●臨床研修指導医
●死体解剖資格認定医

 

呼吸器外科 負担の少ない胸腔鏡手術

胸腔鏡手術

肺は心臓に近い臓器で、血管には多量の血液が流れています。当科では主に手術療法を担当しておりますが、傷は最小限にして安全性を第一に心掛けています。患者さんの年齢、肺機能、基礎疾患、肺がんの進行度などによって、術式を検討します。近年、カメラを使って肋骨の間に2~3つの小さな穴を開けて鉗子を入れる胸腔鏡手術が登場しています。ハイビジョン画面で病巣をはっきりと見ることができ、傷が小さく、痛みも少ないのがメリットです。ただ、重さや触った感じの引っかかり方など触感から判断することができませんので、慎重を期するためにも皮膚を切って直接肺を見る従来型の開胸手術を選択することもあります。出血や空気漏れのリスクを考え、肺葉ごとに切除する術式を採用しますが、腫瘍の場所や大きさなどによっては、さらに切除箇所が少なくて済む、部分切除や区域切除を選択できることもあります。肺がん手術前には、歯科と連携して口腔内をきれいにするケアを行います。術後の肺炎や合併症の予防対策も積極的に導入しています。


洛和会音羽病院 副院長 呼吸器外科 部長
一瀬 増太郎(いちのせ ますたろう)

専門分野

呼吸器外科全般

専門医認定・資格など

●日本呼吸器外科学会専門医
●日本呼吸器内視鏡学会気管支鏡専門医/指導医
●日本がん治療認定医機構がん治療認定医
●日本胸部外科学会認定医
●日本外科学会外科専門医
●臨床研修指導医
●近畿外科学会評議員
●医学博士

放射線治療科 体幹部定位放射線で早期肺がんを治療

洛和会音羽病院ではリニアックという放射線治療装置を使い、腫瘍への放射線照射による治療を行っています。リンパ節や他臓器への転移のない早期の肺がんには、昨年導入したSBRT(体幹部定位放射線治療)が有効です。SBRTは呼吸の動きに合わせて多方向から集中的にピンポイント照射ができます。肺は呼吸によって膨らんだり、縮んだりします。そのため照射位置の微調整が必要ですが、あらかじめ呼吸の動きに合わせたCT画像を撮り、治療計画時に重ね合わせることで、正確な照射位置を特定することができます。放射線療法は手術療法を行うことができない、リスクの高い方や高齢者にも適用できます。通常の放射線治療では3 0回程度の照射が必要ですが、SBRTでは、4~8回照射(1週間~10日程度)します(心臓などの重要な臓器が近い部位の場合は線量・回数の調整が必要になることがあります)。リスクや副作用が少ないので、治療終了後は早期に日常生活に復帰することができます。そのほか、局所進行がんに対する化学放射線療法、さまざまな症状緩和目的の放射線治療もこれまでと同様に行っています。


洛和会音羽病院 放射線治療科 副部長
兼 部長代理 石田 祐一(いしだ ゆういち)

専門分野

放射線治療一般、消化管の放射線治療

専門医認定・資格など

●日本医学放射線学会・日本放射線
腫瘍学会放射線治療専門医
●日本医学放射線学会研修指導者
●日本がん治療認定医機構がん治療認定医
●医学博士

多彩な薬物療法

薬物療法

早期肺がんでは手術療法もしくは放射線療法を用いますが、進行肺がんの場合は抗がん剤を選択します。近年は病気の原因に関わる特定の分子だけを選んで作用する「分子標的薬」やがん細胞が免疫のはたらきにかけたブレーキを解除し、免疫の働きを活発にしてがん細胞を攻撃するよう作用する「免疫チェックポイント阻害薬」の登場により、薬物療法の幅が広がっています。長期治療になるため、がんに関する相談ができる「がん相談センター」やリハビリテーション部など多職種で患者さんやご家族を支援します。

長期的な視点でケアを提供

患者さんの身体状況等により積極的治療を選択しない患者さんには、緩和ケアを目的とした入院病棟を設置し、退院後のことも見据えて、地域の往診医の先生方と連携を図りながら緩和ケアを行っています。お困りのことがございましたら、お問い合わせください。

お問い合わせ

洛和会音羽病院

呼吸器内科 / 呼吸器外科 / 放射線治療科
TEL 075(593)4111(代)

洛和会音羽病院 地域連携課

フリーダイヤル  0120(607)489
TEL 075(593)7725
月~金曜日 午前8時30分~午後8時 / 土曜日 午前8時30分~午後5時15分
※日曜日・祝日・年末年始(12月30日~1月3日)はお休みをいただいております。

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