麻酔管理ができる看護師が誕生
当会では特定行為研修を実施し、医師のもと医療行為ができる看護師の育成に力を入れています。手術看護のスペシャリストに資格取得への思いや役割について聞きました。
特定認定看護師とは
2021年度から日本看護協会の新たな認定看護師制度により「特定認定看護師」が誕生しました。救急や緩和ケアなど、特定の分野において熟練した看護技術と知識を有し、直接的な看護とスタッフへの指導などの役割を担う認定看護師。医師の手順書を元に医療行為を行うことが許される特定行為研修(38行為21区分)を修了し、登録をすることで「特定認定看護師」と名乗ることができます。
今回お話を伺ったのはこの方!
資格
手術看護特定認定看護師
経歴
2013年 洛和会丸太町病院手術センターに入職
2014年 認定看護師教育課程を履修、翌年、手術看護認定看護師の資格を取得
2021年 特定行為(手術麻酔管理領域)研修を履修、翌年、同資格を取得
2022年 特定認定看護師として登録し、現在に至る
エビデンスをもって後輩指導がしたい
小学生の時に入院したことがあり、担当してくれた実習生との関わりから、看護師の存在を身近に感じました。その頃から漠然と看護師になりたいと思い、今の私がいます。看護師になって10数年が経った頃、結婚・出産を経験し、子育てをしながら仕事をする中で、今後どうキャリアを積んでいったらいいか不安を感じていました。また、後輩を指導する上で、看護の技術は日々進歩していくけれど、自身の知識を得る機会もなく、エビデンスをもった教育ができないことにも悩んでいました。そんな時、東京でしか受講できなかった認定看護師の教育課程が兵庫県でも受講できるようになり、また、上司に勧められたこともあり、手術看護認定看護師の資格取得を目指して教育課程を履修しました。超高齢社会となる2025年問題や医師の働き方改革によるタスクシフトなどが求められる中、看護師としてできることがあるのではと思い特定行為研修を受け、現在は特定認定看護師として手術中の麻酔を維持するための管理もしています。
特定認定看護師としての役割
これまでの手術センター所属の看護師は、術中しか患者さんと関わることがありませんでした。現在は、周術期という概念が生まれ、手術の前には術前外来で患者さんやご家族の不安を軽減するためにお話しをします。看護師になら言いやすいこともありますので、話を聞いた上で医師にフィードバックしています。そして、術後は退院までの間、痛みを緩和するためのケアに当たるなど多くの関わりをもつことができます。手術看護認定看護師の資格があることで、より専門的な視点で話が聞け、適切な助言ができていると思います。長期に渡って患者さんに関われることで、手術看護の面白さを再認識でき、とてもやりがいを感じています。
痛みを我慢しなくていいという考えの元に
患者さんの中には、術後は「痛みを伴うもの」と認識されている方が多くおられますが、痛みは「我慢しなくていいもの」です。患者さんが話しやすい雰囲気を作り、気軽に相談できるようにしていきたいと思っています。現在は、医師や薬剤師と術後疼痛管理チームを組んで、基盤作りをしています。患者さんに「この地域で手術をするなら洛和会丸太町病院」と思ってもらえるようにすることが今の目標です。
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お問い合わせ
洛和会丸太町病院
TEL 075(801)0351(代)
公開日時 : 2022年11月01日 (火)