薬薬連携を強化~洛和会音羽病院で保険薬局薬剤師の実地研修を実施~

薬薬連携を強化~洛和会音羽病院で保険薬局薬剤師の実地研修を実施~

薬薬連携を強化
~洛和会音羽病院で保険薬局薬剤師の実地研修を実施~

2021年12月、京都府薬剤師会からの依頼を受け、洛和会音羽病院 薬剤部にて保険薬局の薬剤師を対象とした実地研修が行われ、5日間にわたり計10人が受講されました。この研修は開業医および病院医師が双方向で診療情報を提供しているのと同様に、保険薬局薬剤師と病院薬剤師が互いに情報提供を行うことで、患者の入退院時において薬局-病院間の連携を強化し、適切な薬物治療を行うことを目的としています。

3時間の研修のうち、前半は入退院支援センターで患者さんと病院薬剤師との入院前面談に保険薬局薬剤師が立ち会い、入退院に伴う服薬管理の様子を見学されました。後半は病院薬剤師の業務内容やその目的などについて、当院薬剤師が解説しました。研修後、病院薬剤師と保険薬局薬剤師の間で、活発な質疑応答が交わされました。

入退院に伴う薬剤管理を安全に行うために

患者さんとの面談風景

洛和会音羽病院 薬剤部 係長 藤田 葵

入院前に患者さんやそのご家族(本人以外で主に薬の管理をしている方)と面談をします。自宅での服薬状況などを把握するとともに、お薬手帳を見ながら手術等に向けて入院前に休薬すべき薬剤の有無を確認します。必要に応じてかかりつけ薬局へ情報提供を行い、正しく休薬できるよう服薬支援を依頼します。また、薬に関して入院中に介入すべき内容を事前に把握しておきます。常用薬だけでなく、薬物アレルギーや日頃飲まれているサプリメントにも配慮が必要です。

患者さんとの面談は、切れ目のない安全な薬物治療を行うにあたり、情報不足によるリスクを回避し、スムーズな入退院をしていただくために必要不可欠です。この研修で保険薬局薬剤師の方に、入退院支援センターの役割やお薬手帳の活用状況などを実際に見ていただき、より安全な服薬管理につなげたいと思っています。

お互いの理解を深め、スムーズな連携を

書類の詳細を解説する様子

洛和会音羽病院 薬剤部 副係長 稲住 瞳

病院薬剤師は、入院時持参薬の確認や副作用のモニタリング、退院後を見据えた服薬指導、退院時の服薬指導など多岐に渡る業務を行います。それらの業務の流れを実際に保険薬局薬剤師とやり取りしている書類を見ながら、その意図などを丁寧に説明し、確認し合うことで、共通認識として深めることができました。また、保険薬局薬剤師の方と、「この書類にはこういう内容があった方が良い」「こういう場合はどう伝えているか」などさまざまなケースを想定した意見交換を行うことができ、今後の連携に有意義な交流となりました。

実地研修を受けて~保険薬局薬剤師の方々からいただいたコメント~

※一部を抜粋しています

・保険薬局薬剤師Aさん

「コロナ禍で軒並み実施されていなかった実地研修を受けることができ、とても貴重な経験になりました。病院薬剤師さんが、入院前から退院時まで患者さんにどのように介入されているか、実際に現場を見ながらご説明いただき、とてもよく理解できました。またお薬手帳をしっかり活用していただいていることも保険薬局薬剤師としてうれしく思いました」

・保険薬局薬剤師Bさん

「不明点もその場でお答えいただき、非常に勉強になりました。今回の研修で顔の見える関係を築けたので、今後の連携がよりスムーズになります。また、情報提供書の項目について一つ一つその意図を解説いただき、情報発信の目的がよく分かりました。提供いただく資料を、これまで以上に活用していきたいです」

最後に…

入院前から退院後まで患者さんのお薬の管理を適切に行うためには、保険薬局薬剤師の方々のご協力が欠かせません。

今後も病院薬剤師が保険薬局薬剤師と協力し合い、スムーズに適切な連携を図ることで、患者さんへ安心・安全な医療を届けられるよう、努めてまいります。

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