中高生世代と赤ちゃんとの交流活動
「助産学科学生と学ぼう《つながる輪 いのちのリレー~生まれてきてくれてありがとう~》」
7月29日に京都市花山児童館(京都市山科区)にて、中高生世代と赤ちゃんとの交流活動 第2回の「助産学科学生と学ぼう《つながる輪 いのちのリレー~生まれてきてくれてありがとう~》」が行われました。
京都市花山児童館が今年度から取り組んでいる「中高生世代と赤ちゃんとの交流活動」は、次世代の親となる思春期児童が妊娠・出産などに関する知識を習得し、赤ちゃんやその家族とふれあう機会を持つことにより、中学生・高校生の健全育成を図るとともに、将来子育てに関わるときの貴重な予備体験として、育児不安からくる虐待の予防につなげることを目的としています。
全4回の第2回となるこの日は、洛和会京都厚生学校 助産学科の学生20人が、参加者の中高生たちに対して講義を行いました。
助産学科の学生にとっては、健康教育技法の実習でもあります。
まずは「生命の誕生」と題して、妊娠の仕組みや、命の尊さについて、クイズや劇などを交えて説明。
中高生たちは、自分が生まれてきた奇跡や、これまでどれだけ周りの人に大切にされてきたかを再確認し、感謝を伝えたい人をワークシートに挙げました。
次は2チームに分かれて体験コーナーを巡りました。
学生が、赤ちゃんの人形を使って、抱っこや沐浴の方法についてレクチャー。中高生たちは本当の赤ちゃんに触れるように、真剣なまなざしで一つ一つの動作を丁寧に行っていました。
妊婦体験では、重りの付いたジャケットを装着し、妊婦さんの大変さを体験。
掃除機をかけたり、寝転んだり、日常の動きを実際に行い、「すごく動きづらい」「こうやったら少し楽になる」などの気付きを得ていました。
特に印象的だったのが「産道体験」。
中高生たちは、自分の生まれたいタイミングでベルを鳴らし、周りの音がこもって聞こえるようヘッドホンをして、扉の中に作られた暗くて細い道を進みます。
中ではお母さんの心音が響き、障害物もたくさん。
出口は子宮口のイメージから布が絞られた作りになっており、頭が見えると外から学生が「○○ちゃん頑張って!」「もうすぐお母さんに会えるよ!」「頭見えてるよ!」など温かい声掛けで中高生たちにエールを送ります。
やっとの思いで生まれた中高生たちは、みんなから「生まれてきてくれてありがとう!」と一斉に歓迎され、満面の笑顔を浮かべていました。
待ち時間にも学べるよう、たくさんの制作物やポスターが用意されていました。
その後は、デートDVに関する講義や、絵本の読み聞かせも実施。
プログラム終了後、中高生の1人は「自分が生まれてきたのは奇跡だということが改めて分かったし、とても勉強になった」と感想を述べてくれました。
洛和会ヘルスケアシステムでは今後も、いのちの大切さを伝えながら、育児不安解消につながる活動を行い、明るい未来のために取り組みを続けてまいります。
公開日時 : 2023年08月25日 (金)