小学生の勇気をPUSH!看護師と救急救命士がオンラインで救命講習を実施
前触れもなく心臓が止まる突然死。日本では毎年約7万人が命を落としています。
洛和会音羽病院では「PUSHプロジェクト※」に賛同し、心肺蘇生の中で最も重要な胸骨圧迫(心臓マッサージ)とAED(自動体外式除細動器)の使い方を地域に広く周知し、救命率を上げるため、地域の教育機関へ出張研修を行っています。※PUSHプロジェクト…NPO法人大阪ライフサポート協会から発足した、胸部圧迫・AEDの普及を通じて、突然倒れた人を救命できる地域を目指す取り組み。全国的に広まっている。
2021年12月14日、大津市立青山小学校の5年生148人を対象に、当院の看護師2人と救急救命士1人がWEB会議システムを使用して病院と小学校の各教室をつなぎ、「オンライン救命講習」を行いました。
救命講習プログラム
1. 心臓の役割について
2. 一次救命処置について
3. 心臓マッサージの練習
4. AEDのこと・まとめ
まず初めに、心臓の役割について、当院の慢性心不全看護認定看護師が解説しました。
救急搬送されるのは事故よりも急病の人が多いことや、1日あたりの心臓停止による突然死の人数などを提示しながら講義を行いました。
その後、救急救命士が、人が倒れてから胸部圧迫・AEDを開始するまでの一連の流れを実演しながら、実際の救命活動について説明しました。
実演を見る子どもたちの表情は真剣そのもの。その後、教室で模型器を使って、心臓マッサージの練習を行いました。
胸部圧迫のポイントは、「強く」「絶え間なく」「リズムよく」押すこと。
一通り学んだ後、AEDを使った一次救命処置の大切さを学ぶ内容のDVDが上映されました。AEDがなく救命処置が遅れたために失った命、AEDと心臓マッサージのおかげで助かった命についてのドキュメンタリーが映し出され、「心臓マッサージで救える命がある」という事実は、子どもたちの心に強く響いたようでした。
最後に、子どもたちに向けて、「AEDがどこに設置されているか確認しておいてね」、「今日どんなことを習ったか、保護者の人に話してみてね」と2つの宿題が出され、講習は終了。
受講後、子どもたちから、「若い人でも心臓が突然止まることがあることを知った」「命の大切さについて考えるきっかけになった」「AEDがあることは知っていたけど使い方は今日初めて分かった」「今日学んだことで自分の身近な人の命を自分でも救えるかもしれない」「倒れた人を見かけたら勇気を出して助けたいと思った」などの感想が届きました。
洛和会ヘルスケアシステムでは、数年前から地域のイベントや近隣の小学校などでPUSH活動を行ってきました。「救える命を救う」ために私たちにはできることがあります。一人でも多くの子どもたちが「命の大切さ」を実感し、もしもの時は「自分が救命活動を行う」勇気が出せるよう、今後も活動してまいります。
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公開日時 : 2022年01月18日 (火)