洛和会音羽病院が救命講習を実施。救急救命士が教えるリアルなPUSHプロジェクト

洛和会音羽病院が救命講習を実施。救急救命士が教えるリアルなPUSHプロジェクト

洛和会音羽病院が救命講習を実施。
救急救命士が教えるリアルなPUSHプロジェクト

京都市山科の燈影学園で救命講習を行いました

日本では年間約8万人の方が心臓突然死で亡くなっています。誰かが突然倒れたとき、そこにいるあなたが救えるかもしれない命があります。洛和会音羽病院では「PUSHプロジェクト※」に賛同し、人の命の大切さ、心肺蘇生法とAED(自動体外式除細動器)の使用方法を学ぶとともに、実際にアクシデントを目の前にしたとき、一歩踏み出す勇気を育てるため、地域の教育機関などへ出張研修を行っています。

※PUSHプロジェクト…NPO法人大阪ライフサポート協会から発足した、胸部圧迫・AEDの普及を通じて、突然倒れた人を救命できる地域を目指す取り組み。全国的に広まっている。

2022年12月19日、燈影学園から生徒11人(中学生6人、高校生5人)が参加し、当院から救急救命士を2人派遣しました。

身近で起きる可能性と救命講習で得られることを知ります

まず初めに、この講習を「なぜするのか」を知るために、約5分間の動画を視聴します。毎年たくさんの人が心臓突然死によって亡くなっていること、年齢は関係なく自分の家族や友人、周りの人に起きる可能性があること、救命活動によって救われた命があることなど、いかに救命活動が大切かを学びます。

次に、倒れている人を見つけてから、胸骨圧迫・AEDを開始するまでの一連の流れを実演し、実際の救命活動について説明しました。

人間の心臓は停止してから1分経過するごとに、約10%救命率(心拍再開または意識回復)が下がるといわれています。

そのため、なるべく早く救命活動を開始することが重要ですが、倒れている人を見つけても、すぐに近づいてはいけません。何よりもまず、周りをよく確認して「自分の安全を確認」してから近寄ることが大切です。

AEDの実演は訓練用機器を使用しましたが、校内にある実物を生徒に見てもらい、校内に置いてある数と場所など、実際に必要になったときに慌てることがないよう、具体的な情報共有も行いました。

心肺蘇生トレーニングツールを使って演習を実施

AEDパッドの貼り付け方法や、胸骨圧迫までの流れを体験できるトレーニングキットを使って、二人一組で胸骨圧迫の演習を行いました。胸骨圧迫は「強く」「リズムよく」「絶え間なく」を意識することがポイントで、1分間に100回から120回のリズムが良いといわれています。今回は分かりやすくするため、音楽に合わせて、1分ずつ2人で交代しながら行いました。

講習当日はとても寒い日で、何度も練習するうちに生徒は体が温まり、明るい雰囲気に。学園の先生も生徒と一緒に練習し、講師が手拍子をして応援するなど、そこには生徒、先生、救急救命士が一体になって救命活動の演習に取り組む姿がありました。

講習を受けた生徒の反応

講習プログラム終了後の質疑応答では、雨の日や周りに誰もいないとき、AEDが故障していたらどうするのか、家で家族が倒れたらどうすればいいか、倒れている人はどのように運べばよいのかなど次々と生徒が手を挙げ、実際に目の前でアクシデントが起きた時、積極的に自分が一歩踏み出すための準備を進めているようにも見えました。

講師である救急救命士も、生徒の真剣な姿勢に応えるため、一つ一つの質問に対し実演を交えて、丁寧に解説しました。

講習終了後に、生徒にアンケートの協力をしてもらいました

  • 自分の勇気ひとつで救われる命があるのなら、もっと勇気を出して行動していくべきだと思った。そしていろんな人に救命活動について知ってもらいたい。
  • 人の命を助けるには勇気がいることだけど、授業で学んだことを生かして一歩踏み出したい。
  • 心臓が突然止まり、亡くなっている方が年間8万人もいることに驚いた。経験はないが命を助けるために真剣に学びたいと思いました。
  • 人命救助の経験はありませんが、この講習を受けて自分にもできることがあると知りました。
  • AEDの使い方や救護の仕方が分かりやすくて良かった。
  • 大切な命を失わずにすむ方法を教えてくれて心から感謝します。
  • 倒れている人の運び方など学べてよかったです。もっと詳しく知りたいと思いました。
  • 救命活動についていろんなことを学べて良かったです。将来看護師になりたいです。この講習で人間の命が失われる怖さと、命を救う方法を学ぶことができて、たくさんの人の命を大切にしたいと思いました。

洛和会ヘルスケアシステムでは、数年前から地域のイベントや近隣の小学校などでPUSHプロジェクトを行ってきました。「救える命を救う」ために私たちにはできることがあります。一人でも多くの子どもたちが「命の大切さ」を実感し、もしもの時は「自分が救命活動を行う」と一歩踏み出す勇気が出せるよう、今後も活動してまいります。

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