医療・介護の事業を展開する洛和会ヘルスケアシステムでは近年、患者さん、利用者さんのためのさまざまな連携を進めています。
今回は退院後の介護サービス事業所やかかりつけ医との連携、認知症に関わる病院職員と介護職員による「連携」についてご紹介します。
退院後の患者さんのため、“質の高い”情報提供を
洛和会丸太町病院 入退院支援相談室
副係長 中野 匡徳(なかの まさのり)
社会福祉士/精神保健福祉士
当院の入退院支援相談室では、5人の社会福祉士が主に入院中の患者さんの退院支援を行っています。
患者さんの状態や治療状況をご家族にお伝えし、サービスの検討提案をするのですが、コロナ禍の面会制限もある現在、より的確な情報提供が必要とされます。
そして、ご自宅に帰られる方であればケアマネジャーや介護のサービス事業所、かかりつけ医の先生と連携を取ります。
継続してリハビリや医療行為が必要で転院される場合は、療養型の病院と調整。患者さんによって回復状況が違うので、状態をしっかりと把握するため、カルテだけでは分からないことは医師や看護師をはじめとする多種職のスタッフと連携し、解決していきます。
ときには地域連携課に同行して転院先となる病院へ訪問することも。日ごろの主なやり取りは電話やFAXですが、一度でも顔を合わせていると、ぐっと距離が縮まる気がします。
“顔の見える関係づくり”へのご協力は今後もできるだけお願いしたいと思っています。
当院は急性期病院のため、患者さんの回復過程を最後まで見届けることができません。
求められている情報を、正確に、丁寧に提供することで、スムーズな連携ひいては患者さんの今後にプラスとなるよう取り組んでまいります。
増加する認知症疾患への知識・経験を共有
洛和会音羽リハビリテーション病院と介護事業部では認知症ケア研究会を毎月行い、認知症の患者さん、利用者さんに対する治療やケアに重点を置いた議論を交わしています。
洛和会音羽リハビリテーション病院 薬剤部
楠戸沙也子(くすど さやこ)
薬剤師
医療の目線…ご自宅での生活を見る
当院では専門家が集まっている強みを生かして、患者さんにとって最適と思われる治療を行っています。
現在は退院後のご自宅での生活を見据えた治療が注目されており、介護職員からの発表はとても貴重です。生活に根差したBPSD(認知症の行動・心理症状)などへの対応について学んだり、意見交換を行ったりするなど、身体的・心理的側面についても理解を深めています。
介護事業部(看護)小規模多機能課
課長 永井 試行(ながい しこう)
介護福祉士/介護支援専門員
介護の目線 医療からのヒント+介護現場を知ってもらう
施設や事業所での認知症ケアの困りごとを検討する場として研究会を活用しています。
介護では自分たちのケアの力で「なんとか症状を改善しなければ」と一生懸命な人が多いのですが、医療側の目線からもケアのヒントをもらうことで、“相談できる場がある”という安心感につながっています。
また、医療側に介護現場を知ってもらったり、顔の見える関係を作ったりすることで、さらに連携をとりやすくなっています。
認知症の初期から継続的な支援を
(左)洛和会音羽リハビリテーション病院 医療介護サービスセンター 地域連携課(京都市山科区認知症初期集中支援チーム)
主席係長 木下 茂(きのした しげる)
精神保健福祉士
(右)洛和会介護の相談窓口
課長 相宗 聖子(あいそう せいこ)
社会福祉士
洛和会音羽リハビリテーション病院では京都市の委託事業として、山科区の認知症初期集中支援事業の窓口を担っています。
認知症の疑いがある方やそのご家族からご相談を受け、早期の段階で関わりを持ち、支援しています。
ケースによって、 介護の相談窓口と連携し、その方に合った介護施設を提案してもらいます。
病院側の窓口と介護の相談窓口が協働し、患者さんの情報を引き継ぐことで、ご家族からも安心してお任せいただいています。
お問い合わせ
洛和会丸太町病院
TEL 075(801)0351 ㈹
洛和会音羽リハビリテーション病院
TEL 075(581)6221 ㈹
介護事業部
TEL 075(353)5802 ㈹
京都市山科区認知症初期集中支援チーム(洛和会音羽リハビリテーション病院内)
TEL 075(582)5535
洛和会介護の相談窓口
TEL 0120(045)507
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公開日時 : 2022年09月01日 (木)