当会の職員が人命救助に貢献 ~ほんの少しの勇気が命を救う! 人命救助の経験から~

当会の職員が人命救助に貢献 ~ほんの少しの勇気が命を救う! 人命救助の経験から~

「さっきまで元気にバイオリンを弾いていた方が…。自分自身を含め、人はいつ何が起きるか分からないということを実感しました」

居宅介護支援事業所洛和会音羽病院 藤井志野さんが、名古屋市にあるライブハウスで人命救助を行いました。

藤井志野さん

さっきまで演奏していた方が…

大好きなバンドのライブに行ったとき、ステージ上の演者が突然意識を失って倒れました。周りのお客さんも何が起きたのか分からず、誰一人動くことができない状態がしばらく続きました。「心臓マッサージ(胸骨圧迫)をできる方はおられませんか?」と呼びかけましたが誰からも返答がなく、「私がやるしかない」と思い、ステージに上がって、無我夢中で胸骨圧迫をしました。その際、119番通報した電話の向こうで救急隊の方が胸骨圧迫のペースを指示してくださったことが心の支えでした。

倒れた方を近くで見た時、心臓が止まっているため顔が黒くなっていて、とても恐怖を感じたのを今でも覚えています。この方になんとか生きてほしいと思い、その後、ステージに上がってくれた何人かと一緒に胸骨圧迫を行い、その間に、2人の学生が近隣の駅にAEDを取りに行ってくれました。その結果、救急隊が到着する頃には蘇生され、2カ月の入院を経て、現在は後遺症が残ることなく、ライブ活動を再開されるまでに回復されました。

救命講習の大切さを実感

当会の職員は2年に一度救命講習を受けることが義務付けられているので、私も半年ほど前に受講していました。そのおかげで胸骨圧迫を行い、AEDも適切に使うことができたので、救命講習の定期的な受講の大切さを改めて実感しました。また、名古屋市名東消防署の署長から感謝状をいただいた際に、署長が「人が倒れたときはよく、動かさない方がいいと言いますが、それは“魔の言葉”です。まずは安全な場所に移動させ、気道確保など適切な処置をして、救急車を呼ぶことが大切です」と仰っていました。そしてもう一つ、「心肺停止から病院に搬送された方が後遺症なく社会復帰できたのは、名古屋市のデータで0.003%(救急搬送された2,000人のうちわずか6人)です」とも仰っており、本当に奇跡的なことなんだなと改めて思いました。

ほんの少しの勇気を出して!

今回の経験から、外出先ではまずAEDがどこにあるかを確認するようになりました。人が突然倒れたら、怖くて動けないこともあるかと思いますが、ほんの少し勇気を出すことで助かる命があります。人命救助を行う際、感染防止の観点から人工呼吸をすることに抵抗がある方もおられますので、胸骨圧迫のみでもいいそうなので、この人の命を救えるのは自分しかいないと思って行動してほしいと思います。

理事長賞を授与

洛和会ヘルスケアシステム 矢野裕典理事長からも表彰を受けました。

いざという時のための救命講習が今回一つの命を救いました。確かな知識はもちろんですが、普段の心構えと少しの勇気が大切ですね!

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