知っておきたい！ 超高齢社会を支える介護 その2　介護保険申請とケアプラン

前回、「その1」でお伝えした介護保険の概要に続いて、今回は申請方法からケアプランの立て方までを当会のケアマネジャーがご紹介します。

洛和会医療介護サービスセンター
右京山ノ内店
主席係長 小松 有（こまつ あり）

専門医認定・資格など

主任介護支援専門員

介護が必要と思ったらまずは相談を

そろそろ介護が必要かなと感じたら、まずはお住まいの地域にある高齢サポート（地域包括支援センター）や洛和会医療介護サービスセンター、居宅介護支援事業所、行政の担当窓口にご相談ください。

利用者さんの状態やご希望をしっかり把握する

ケアマネジャーは、要介護認定の申請をして要介護・要支援・非該当の区分が決まり、要介護1～5の認定を受けた方と契約を行い、介護サービス計画（ケアプラン）を作ることになります。最適なケアプランを提案するため、まずはアセスメント（事前評価・課題分析）を行い、利用者さんの生活状況や心身の状態、ご希望をしっかりと把握します。アセスメントは利用者さんの普段の様子を見せていただくため、ご自宅にお伺いして実施します。利用者さんの価値観や大切にされているものも見えてきますので、そういった要素も加味しながら、ケアプランを作成します。

選択肢を増やし、より希望に沿ったサービスを受けてもらえるように

どのような介護サービスを望まれ、どの部分を重視するかは利用者さんそれぞれです。これまで生活してこられた環境や、現在の心身の状態、要介護度といった要素は利用者さんによって異なり、ご提案できるケアプランはさまざまです。
例えば入浴の手助けを望まれている利用者さんには住宅改修で手すりの設置をお勧めしたり、訪問介護でお手伝いしたりする方法もあります。また、入浴の際にバイタル（心拍数・呼吸＜数＞・血圧・体温）が変動する利用者さんの場合、訪問看護で入浴支援を受けていただいたり、時にはデイサービスを利用して入浴していただくのが最適なご提案の場合もあります。
このように「入浴したい」という利用者さんのご要望一つを取っても、いろいろなケアプランが考えられます。
ニーズに合った介護サービスを利用していただくために、私たちケアマネジャーは常に介護サービスに関する情報収集を意識しています。ときにはケアマネジャー同士で“生きた情報”を共有することでもご提案できるケアプランの幅が広げられると思っています。

介護の総合相談窓口として

利用者さんや相談に来られる方に、介護に直接関係がない質問や相談を受けることもあります。具体的な提案はできませんが「ここに行けば詳しく聞ける」といったことは答えられるようにしています。ケアマネジャーの仕事は、各専門職に「つなげる」役割を担っている仕事でもあると考えており、こういった専門外の質問やニーズに対しても、他職種連携の軸になれるよう対応しています。

介護サービスの本質は「その人らしい生活」の維持

ケアマネジャーとしてケアプラン作成時に大切にしていることは、利用者さんにとって「自分らしさをつらぬいてもらう」サービスの提案ができているかどうかです。
利用者さんには自分のことをあまり話さない方や認知症が進行した方などもおられ、個人のニーズを聞き出すことが難しい場合があります。そんなときでも、ご本人はもちろんご家族ともしっかりとコミュニケーションを取り、自宅訪問の際に垣間見えた、その人らしい暮らしぶりの一端なども大切な情報と捉えて、利用者さんの価値観を大切にしたケアプランを提案しています。
利用者さんや、ご家族に「このサービスを受けて本当によかった」と心から言っていただけることを願っています。

お問い合わせ先

洛和会 介護の相談窓口

介護についてのご質問や総合的な福祉のご相談も随時受け付けております。
フリーダイヤル：0120(045)507
（受付時間：午前9時～午後5時 ※日曜日・祝日を除く）

お近くの洛和会医療介護サービスセンターや居宅介護支援事業所でもご相談いただけます。

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公開日時 : 2021年06月01日 (火)