研修指導医日記

勇気の要る診療行為

皆々さん。総合内科のTです。
あ! という間に、前回から1カ月くらい経ちました…何か時間が経つのが早くて驚いています。最低月2回書かせていただくのをノルマにしていたのですが…。

さて、今日のお題です。

「勇気の要る診療行為」

こう聞かれて、皆さんはなんと答えますか? 研修医の先生方なら、「動脈採血」とか「胸骨圧迫」とかでしょうか…逆に年季の入った先生でも、侵襲的医行為は長らくしてないので、することになったら勇気が要ります、とおっしゃるかもしれません。

いろいろあるでしょう。しかし、ここで取り上げたいのは、これです:
感染症で抗生剤治療中だが発熱が持続、または再燃したときの、抗生剤を中止して24時間後培養を採りなおすことです。

侵襲的医行為ではないですが、これって、勇気要りませんか??

特にこのブログで取り上げるに値すると思うんです。というのも、研修医の先生にできるだけ早いうちに身に付けておいてほしいし、後からでは身に付けにくいことだからです。

たしかに動脈採血、縫合、胸骨圧迫、など勇気要りますよね。でも、ある種の「なにもしない」という“医行為”はもしかしたら、もっと勇気が要るかもしれません。

患者さんが重篤でないなら、一旦抗生剤フリーにして診察、培養採りなおしはしないといけないプロセスです。また、少なくともその抗生剤は効いていないので、一旦中止するのは理屈です。ただ、感染性心内膜炎の治療初期などでレジメンを変えてはいけないときや、バンコマイシンの薬剤熱(late-onset feverなんていいます)で発熱を容認して使い続けるときがある、などの例外はあります。

医行為だけでなく、病状説明(いわゆるIC)、などでも自分を奮い立たせて勇気をもって対応しないといけないことがありますね。

今回は、研修医に必要な“医行為”である“24時間抗生剤フリー”についてお話ししました。