楽しく役立つ健康講演会

医療

「今さら…、筋トレ」ではなく「今から、筋トレ!!」

~自宅でできる簡単筋トレ実践編~

投稿日:2019年6月6日 更新日:

はじめに

私は、丸太町リハビリテーションクリニックと洛和メディカルスポーツ京都丸太町で健康運動指導士として運動指導をしています。
写真を見てください。メキシコとロシアの写真です。これは何をしているところだと思いますか。実は、地下鉄の駅に設置してある台の上でスクワットをすると、地下鉄のチケットをもらえるのです。なぜ、こういうことをしているのでしょうか。これは少しでも運動をしてもらうために地下鉄の利用を推奨し、駅でもスクワットで運動してもらおうという仕組みなんです。地下鉄の駅に来るだけでも車に乗らずに歩きます。
こういうことを行わなければならないくらい、現代人は運動不足になっているのですね。

※以下の画像は全てクリックすると大きいサイズで見ることができます。

運動不足は死亡率危険因子第4位

WHOの調査で、世界の死亡リスクのトップ10を見ると、1位は高血圧、2位喫煙、3位高血糖、そして4位に運動不足が入っています。5位が肥満、6位が高コレステロールです。喫煙を除いた上位のリスクは、全て運動不足と関係していますね。
これが日本では、1位喫煙、2位高血圧、3位運動不足で世界よりも運動不足の順位が1つ上がっています。

運動しないとどうなるのか

NASAが無重力空間で生活した宇宙飛行士の調査をしていますが、無重力空間で生活するのはベッドで寝たままの状態でいるの同じです。3週間そういう状態でいると、最大酸素摂取量が約30%減少します。

筋力トレーニングの効果

適切な筋力トレーニングを行うことで筋力増強の効果が得られます。
とりわけ体を支える抗重力筋を鍛えることで姿勢を保持する能力が上がり、移動能力の向上を図ることができ、生活の質が向上します。

抗重力筋とは

では抗重力筋とは何でしょうか。地球の重力に対して体の姿勢を支えるために働く筋肉のことです。背中や腹部、お尻、太もも、ふくらはぎが前後に伸び縮みしながら重力に対してバランスを保っています。

筋力トレーニングの効果は

筋力トレーニングによって筋肉が太くなり、筋肉量が増大します。筋肉量が増えると体を動かすためのエネルギー量が増加し、基礎代謝の向上や血流の改善も期待できます。筋力増強とともに、移動能力の向上や転倒予防、生活の質の向上を図ることができます。

体脂肪燃焼の効果も

ゆっくり動作しながら行う筋力トレーニング(スロートレーニング)や、筋力トレーニングに続いて有酸素運動を行ったり、速筋繊維を鍛えるダンベルやマシンを用いた筋肉トレーニングを行ったりすることで、体脂肪を燃焼しやすい状態を作ることができます。

立ち上がりや歩行に必要な筋力の強化

立位を保持したり、立ち上がりや歩行に必要な筋肉は、足を持ち上げる「腸腰筋」や足を前に振り出す「大腿四頭筋」、つま先を持ち上げる「前脛骨筋」などがあります。椅子に座ったまま行うスクワットでこれらの筋肉を鍛えることができます。手軽にできますので、皆さんやってみてください。

「+10(プラス・テン)」をやってみましょう

運動不足を改善するために厚生労働省が呼びかけている「+10(プラス・テン)」という取り組みがあります。
今より10分でも多く、体を動かして運動しましょうという趣旨です。10分多く体を動かすだけで、健康寿命が延ばせます。

まず身体活動をチェック!

厚生労働省の呼び掛けのガイドブックでは、「毎日合計60分以上、歩いたり動いているか」、という問いから始まって、自分を診断し、今、求められている運動を示します。自分の現状を見つめ、状況に応じて「+10分」運動することを勧めています。

大きい「+10」効果

10分は短いように見えますが、続けると大きな効果が期待できます。
一つはリラックス効果です。体を動かすことで脳内物質の働きが整います。軽いストレッチをしたり、買い物やお出掛けをしたりすることでリラックス効果が得られ、快眠にもつながります。
また、運動は認知症の予防にもなります。1日40分、体を動かす高齢者は、10~15分しか体を動かさない人と比べ、関節痛や認知症になるリスクが20%も低くなると言われています。座りっぱなし、寝っぱなしはやめて、例えば外出や庭いじりなど「プラス10」を行うことが大事です。

80歳からでも効果

80歳になってもトレーニングすれば、効果があります。
丸太町リハビリテーションクリニックに併設された洛和メディカルスポーツ京都丸太町の利用者さんの中には80歳になってからトレーニングを始め、骨格筋が3%増え、バランスを取る片足立ちが7秒から35.9秒に増えた人もいます。
外国で100歳でマラソンを走った人の話がニュースになったことがありました。この人は89歳からマラソンを始めたそうです。年齢が高くなってからでも運動の効果があります。皆さん、年齢を気にせず運動を生活の中に取り入れてください。


丸太町リハビリテーションクリニック

洛和メディカルスポーツ京都丸太町
ホームページ

〒604-8405
京都市中京区西ノ京車坂町12
TEL:075(802)9030

カテゴリー1-医療
カテゴリー2-

関連記事

メタボ・ロコモ撃退! ~貯金と貯筋で健康長寿を手に入れよう! ~

開催日:2015年10月28日 講師:丸太町リハビリテーションクリニック リハビリテーション部 主席課長 理学療法士 松井 知之(まつい ともゆき) はじめに 歳をとると、多くの人が関節の痛みをあちこ …

誤嚥のご縁にならないために

開催日:2019年2月27日 講師:洛和会音羽病院 呼吸器内科 医員 医師 森川 昇(もりかわ のぼる) はじめに 誤嚥(ごえん)とは、食べ物などを誤って食道以外に飲み込むことを言います。現在、日本人 …

使ったエネルギー、なにで摂ろう! ~運動と食事について考える~

開催日:2016年7月6日 講師:洛和会音羽リハビリテーション病院 栄養管理部 課長 管理栄養士 山根 宏子(やまね ひろこ) はじめに 国が定めている「健康づくりのための身体活動基準2013」をご存 …

高血圧にご用心!

はじめに 血管を若々しく保つためにはどうしたらいいのでしょうか。主に塩分の取り方の話をさせてもらいます。 塩分チェックをしてみよう! 高血圧について知ろう! 栄養成分表示を確認しよう! 実際に食してみ …

その腹痛は大丈夫?

開催日:2018年8月24日 講師:洛和会丸太町病院 消化器センター外科 副部長 医師 米田 政幸(よねだ まさゆき) はじめに 胆のうは、肝臓の右下にぶら下がるようにしてある袋状の臓器です。胆管と呼 …