- 開催日:2017年4月20日
- 講師:丸太町リハビリテーションクリニック リハビリテーション部 係長 健康運動指導士 山中 喬司(やまなか たかし)
はじめに
本日は、認知症とはどんな症状かをお話ししたうえで、認知症予防に役に立つ、脳トレ体操についてご紹介します。
認知症をおさらいしましょう
「認知症」とはさまざまな原因で脳の細胞が死ぬ、または働きが悪くなることによって、記憶力や判断力が低下し、意識障害はないものの社会生活や対人関係に支障が出ている状態(およそ6カ月以上継続)を指します。
認知症? それとも単なる物忘れ?
認知症の症状は生活に支障が出てくるのが特徴です。
たとえば、昨晩食べたものを思い出せないということは誰にでもありますが、認知症の場合は「食べた」という出来事そのものを忘れてしまうのです。
認知症の現状と今後
※以下の画像は全てクリックすると大きいサイズで見ることができます。
認知症予備軍MCI(軽度認知障害)とは
健常者と認知症の中間にあたる、MCI(Mild Cognitive Impairment:軽度認知障害)という段階(グレーゾーン)があります。MCIとは、認知機能(記憶、決定、理由づけ、実行など)のうち1つの機能に問題が生じてはいますが、日常生活には支障がない状態のことです。以下がMCIの定義になります。
MCIの5つの定義
- 記憶障害の訴えが本人または家族から認められている
- 日常生活動作は正常
- 全般的認知機能は正常
- 年齢や教育レベルの影響のみでは説明できない記憶障害が存在する
- 認知症ではない
MCIになるとどうなるの?
日本神経学会によると、MCIを放置すると、認知機能の低下が続き、5年間で約50%の人が認知症へとステージが進行してしまいます。逆に、MCIとなっても、適切な対応をすれば、認知症への進行を食い止められるだけでなく、健常な状態への回復もある程度まで可能ともいわれています。早期発見が大切です。
認知症になりにくい生活習慣
- 食習慣 : 野菜・果物(ビタミンC、E、βカロチン)をよく食べる。魚(DHA、EPA)をよく食べる。赤ワイン(ポリフェノール)を飲む。
- 運動習慣:週3日以上の有酸素運動をする。
- 対人接触:人とよくお付き合いをしている。
- 知的行動習慣:文章を書く・読む、ゲームをする、博物館に行く など。
- 睡眠習慣:30分未満の昼寝、起床後2時間以内に太陽の光を浴びる。
脳トレ体操をしてみましょう
普段とちょっと違う、2つの異なった運動を同時に行うことで、脳が活性化されます。
- 足首の体操:右足のかかとを床に付けてつま先を上げ、左足はつま先をつけてかかとを上げてください。次に右足と左足を逆の形に。それを繰り返します。
- マリオネット(全身運動):両手を上、中、下への動かすのに合わせて、両足を開、閉します。
- 手旗信号:右手は上、下へ、左手は上、中、下へと順番に動かします。
- 太ももたたき:右手は太ももをたたき、左手はさすります。しばらくやったら、右と左を逆にして動かします。
- 指の体操:指を折って9つ数えますが、右手だけ親指を折った状態から、左手はパーの状態から指を折ります。
- コグニサイズ:1.右肩 2.左肩 3.右腰 4.左腰 5.おでこ 6.お腹と決めておいて、歩きながら「1、2」「1、3」などと声を掛けながらタッチします。
最初は誰でもうまくできません。できなくてもかまいませんので、続けてやってみることがMCI予防トレーニングになります。頭で指示したことを体で表現できるようにする運動が脳トレになります。
ビジョントレーニングで脳を活性化!
情報収集の約8割は「目」、つまり視覚で行っています。視覚を訓練すれば、頭の回転を速くしたり、コミュニケーション能力を高めることにもつながり、効率的に脳を鍛えることができます。
しかし、視力と視覚は違います。視力とは、物が「見える」ということ。視覚とは、見て理解すること、見たものが何だかわかること、視野の中から必要な情報を識別できること(例えば信号を判断する、など)をいいます。
ビジョントレーニングでは、視覚を鍛えるトレーニングをします。
眼と体の協調性 ~視覚の精度で行動が変わる! ~
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