はじめに
血管を若々しく保つためにはどうしたらいいのでしょうか。主に塩分の取り方の話をさせてもらいます。
- 塩分チェックをしてみよう!
- 高血圧について知ろう!
- 栄養成分表示を確認しよう!
- 実際に食してみよう!
- 減塩するための食事のコツ
以上5点についてお話します。
塩分チェックシートでご自分の塩分摂取量を点検してください。また、減塩のおみそ汁も用意しました。実際に食べて比較していただいて、普段の食事で塩分を取り過ぎていないか点検してみてください。
最後に希望者の方は血管年齢を測らせていただきます。健康状態を知ることに役立ててください。
高血圧とは何?
全身をめぐる血液が血管の壁を押す圧力を血圧といいます。血圧は心臓が収縮して血液を血管に押し出すときに高くなり、拡張して血液の流れが緩やかなときに低くなります。
収縮期の血圧が「上の血圧」で、拡張期の血圧が「下の血圧」です。
健康な成人の方で「上の血圧」(収縮期血圧)が120mmHg、「下の血圧」(拡張期血圧)が80mmHgくらいです。
「上の血圧」が140mmHg以上か、「下の血圧」が90mmHg以上の場合を高血圧といいます。
※以下の画像は全てクリックすると大きいサイズで見ることができます。
高血圧はなぜ怖い?
高血圧は自覚症状がほとんどありません。日常生活に影響のない場合がほとんどです。それが怖い点です。
脳卒中や心筋梗塞、不整脈などの原因になり、放っておくと命にかかわる病気を起こすため、サイレントキラーと呼ばれています。
塩分を取りすぎると、なぜ血圧が上がる?
高血圧の原因は遺伝、環境、加齢の3つがあります。遺伝は両親や兄弟に高血圧の人がいる場合が考えられます。環境は食事や運動の影響です。食事は塩分の取り過ぎが重要です。
では、なぜ塩分を取り過ぎると血圧が上がるのでしょうか。塩分の多い物を食べると、のどが渇きます。食事でとった塩分(ナトリウム)はすべて血液中に吸収されます。塩分濃度を下げるために血液中の水分量を増やそうと、私たちは水を飲みます。その結果、増えた血液を送り出そうとして心臓の仕事量が増えるため、血圧が上がるのです。
適切な塩分の摂取量は?
厚生労働省が日本の食文化と現状の摂取量を考慮してつくった塩分の摂取基準では、日本人が目標とする1日あたりの摂取量は、男性8g、女性7gで、高血圧のある人は6gとされています。しかし、健康に特に問題のない高齢者の場合は、過剰な減塩は食欲低下や脱水症状を起こすことがあるので、極端な塩分制限には注意が必要です。
食品の栄養表示を見ると、食塩相当量が表示されています。それを見れば、摂取量が分ります。2020年の3月末までには、すべての食品で食塩相当量の表示が義務付けられています。
減塩のコツ① みそ汁は具だくさんに!
みそ汁は具だくさんにすることで、1杯の汁の量を減らし減塩につながります。また、豆腐、サツマイモ、海草などナトリウムの排出を促すカリウムを多く含む具材を複数入れるようにしましょう。みそ汁に牛乳を入れるのもいいです。みそと牛乳を1対1の割合で(2人分で大さじ1ずつ)入れるといいです。みそと牛乳をあらかじめ混ぜておくのがポイントです。
減塩のコツ② 天然のうまみを使おう!
市販のだしのもとは多くの塩分が含まれていますので注意してください。寝る前に鍋や容器にこんぶや煮干を入れて置いておくだけで、本格的な出汁ができます。
ある医師が考えた「完全みそ汁」という、おすすめレシピがあります。サバの水煮缶にマイタケ、ネギ、赤みそを入れたみそ汁です。サバの水煮缶から良い出汁が出て、出汁をとる手間が省けます。タンパク質もしっかり取れます。食べ応えがあり、食べ盛りの子どもも大満足でした。
減塩のコツ③ 調味料は「かける」から「つける」へ
サラダやフライにかける調味料はかけ過ぎないようにしましょう。小皿に入れてほんの少しつけるようにしましょう。「かける」よりも「つける」です。
減塩のコツ④ 加工品よりも旬の物を
ハムや干物は日持ちさせるために塩分を使っています。そういう食品よりも、アサリとかタコノコ、春キャベツといった旬のものの方が安くておいしく食べられます。ぜひ、工夫して取り入れてみてください。
減塩のコツ⑤ 野菜や海藻をたっぷりとろう
野菜や海藻をたくさん取ることが減塩につながります。
野菜をたっぷり食べるコツは
- 加熱する
- スープ類は具だくさんに
- ミニトマト、キュウリなど手軽に食べられる野菜を取ろう
です。
減塩のコツ⑥ レモンや酢など酸味を使いましょう
しょうゆや酢はかんきつ類の果汁で割って使いましょう。塩やソースを使うのを控えて、代わりにレモン汁をかけるなど工夫しましょう。サンマもすだちをかけると、しょうゆはいりません。
減塩のコツ⑦ 外食時は工夫しよう
外食は塩分の多い物を食べてしまいがちですので、注意しましょう。
次のような点を意識してください。
- 麺類のスープは全部飲まない
- 漬物は食べる量を控えましょう。食べる際も、何もつけずそのままで。
- ソースやたれはなるべく使わないようにしましょう。
まとめ
- 高血圧の原因は遺伝、加齢、環境の3つありますが、環境の影響は工夫次第で改善できます。食事の仕方と運動で血圧を下げられます。
- 食事と運動、塩分の取り方が重要です。
- 減塩のコツはおいしく続けること。減塩を続け、若々しい血管を保ちましょう。塩分を取り過ぎた翌日は控えたり、代わりに酢を使ったり工夫をしましょう。
質疑応答から
Q 減塩だしを使っているのですが、どうでしょうか?
A 製品の裏の成分表示で、実際の塩分量はどうなのか確認して使ってください。
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