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知って納得! 学んで安心! シニアの住まい講座

投稿日:2016年11月2日 更新日:

  • 開催日:2016年11月2日
  • 講師:介護事業部 洛和会入居相談センター 課長 社会福祉士 柏本 康博(かしもと やすひろ)

はじめに

住まい探しについて、当センターでは毎月160件ほどの相談を受けています。高齢者が入居する施設には、有料老人ホームをはじめ、さまざまなものがあります。でも、どこがどう違うか、何を基準に選ぶべきか、迷われる方も多いです。本日は、シニアの住まいの違いや、住まい選びのチェックポイントについてお話しします。

住まい選びの前に…

国の意識調査によれば、自宅で介護を受けたい・最期を迎えたいと願う高齢者は多いです。でも現実には8割近くの方が病院で最期を迎えられています。また、将来の備えについては、終末期医療や葬儀、お墓について、約4割の高齢者が「あまり(または、まったく)考えていない」と答えています。さらに、これからの介護や医療環境は変わっていく可能性があります。大切なことは、これらを含めて、お元気なうちに、ご自身が今後どのように暮らしていきたいかを考えることです。それが住まい選びとも関係します。

高齢者向けの施設

一般的な高齢者向け施設は、以下の通りです。

※以下の画像は全てクリックすると大きいサイズで見ることができます。

このうち、有料老人ホームだけをとっても、「健康型」「住宅型」「介護付」の3タイプがあります。健康型は、お元気な方のみが対象の居住施設です。住宅型は、主に民間企業が運営し、要介護や自立(介護認定なし)、要支援の高齢者を受け入れている施設です。生活援助や緊急時の対応、レクリエーションが受けられ、介護が必要な場合は外部サービスを利用しながら生活できます。介護付の場合は、お住まいの施設が提供する介護サービスを利用しながら生活を続けることができます。基本的に24時間体制で介護が受けられるよう、介護・看護スタッフが配置されていますが、多くの民間事業者が参入しているため、その費用や細かいサービス内容は施設によりさまざまです。

サービス付き高齢者向け住宅、介護付有料老人ホームのサービス

シニアの住まいにおけるサービスは、会社・ホームによって大きく異なるのが現状です。ご希望のサービスは事前に確認しておきましょう。また、ホームによって月額利用料のほかに別途実費がかかる場合がありますので、ホームページや重要事項説明書などで確認することが大切です。

最近は、インターネットで施設紹介をしているところが多いので、ある程度の情報はネットから得られます。

シニアの住まいを選ぶときのチェックポイント

大切なポイントは

  1. ロケーション・立地選び
  2. 経営・運営会社の確実性
  3. お食事・献立
  4. 居住空間
  5. 入居・退居の条件
  6. 費用

となります。お客様への聞き取りなどからも、「立地条件」「費用」で重視度が高く、合わせて施設のスタッフの雰囲気・人柄といった、見学の際の印象で決める方も多くいらっしゃいました。各ポイントについて、以下にご説明します。

ロケーション

お一人おひとりが望まれる生活スタイルによって、千差万別です。今まで住んでいた自宅や通っていた病院に近いか、家族の住む場所に近いか、外出が便利か、自然の中が良いか…などが判断材料です。
もし入居を真剣に考えられた場合は、可能な限り、見学だけではなく体験入居をおすすめします。

経営・運営会社の確実性

シニアの住宅業界には、不動産会社や教育業界、医療機関、娯楽産業…と多くの業種が参入しています。運営している会社の経営状況や、事業理念に納得できるかどうかを確認しましょう。
具体的には

  • 過去と現在の財務状況とシニア事業の実績
  • 事業理念はどのようなものか
  • 情報開示の要求に対して誠実な対応をしてくれるか
  • 入居者・ご家族とのコミュニケーションは大切にしているか
  • 会社として職員への教育をきちんとしているか

を確認しましょう。

お食事・献立

お食事は毎日の生活の楽しみの一つです。どのような食事が提供されているのか、確認しましょう。施設によっては、現場で調理せず、外部のお弁当で済ませているところもあります。
お食事内容の具体的なチェックポイントは、

  • 体調不良や噛む力・飲み込む力などの低下した場合に対応可能か
  • カロリー制限や塩分制限などの健康状態に対応できるか
  • レンジで温めたものばかりや加工食品ばかりではないか
  • 毎日召し上がれる献立か(内容・栄養など)
  • 食器にも気を使っているか。プラスチックなどではないか

となります。また、見学の際に食事の試食を用意してもらえるかも是非、一度お聞きください。

居住空間

居室は大きく2つのタイプに分かれます。サービス付き高齢者向け住宅(サ高住)は、通常のマンションに近い設備で、キッチン、トイレ、洗面、収納、エアコンが居室についています。施設によっては居室内に浴室またはシャワールームが用意されているところもあります。介護付は、ワンルームタイプが主で、トイレや洗面、収納、エアコンが居室内にあり、介護用電動ベッドが用意されているところもあります。居室のみでなく、建物全体の設備と将来的に必要な設備を確認することがポイントです。
具体的には

  • ナース(スタッフ)コールはベッドの近くや物の配置によっても利用者が届くよう配慮されているか
  • 車いすが必要な生活になった場合、居室内は移動しやすくなっているかトイレ・洗面は介護が必要になっても使用しやすいものか
  • 居室の冷暖房設備は、施設一元管理でなく、居室ごと自由に使用することが可能か
  • 居室に家具・家電はもちろん、コンパクトな仏壇など、これまで住み慣れた部屋で使っていたものをどこまで持ち込むことが可能か

を確認しましょう。

入居・退居の条件

年齢・介護保険認定・入居するにあたっての諸条件と、退居の条件を確認しておくと安心です。
具体的には

  • 入居時の年齢制限はあるか
  • 入居するにあたっての条件(入居時に自立か、要介護かなど)
  • 介護が必要になった時の対応
  • 介護保険の利用はできるのかどうか
  • 退居の条件(介護・医療・周囲との関係など)

を確認しましょう。

以下のスライドは主に介護付有料老人ホームのチェックポイントを記載しています。

費用

契約や支払いの方式は、いくつかのタイプを選べる場合があります。資産に応じて選択していきましょう。またそのメリット、デメリットを確認することも大切です。

一時金方式の契約では、施設により100万円から1,000万円以上まで、さまざまです。一時金は、何年分かの家賃を先払いにした想定で計算されており、想定分より長生きすると家賃分が結果的に安くなる場合があります。一時金が全て償却された後、再度、一時金を求められることはありません。ただし、契約書に細かい字で書かれている確認事項を良く読むことが大事です。ご家族、ご本人の意向もありますが、85歳以上の方は月払い方式を選ぶ方が多い傾向となっています。

シニアの住まいを選ばれるにあたって

要望がすべてかなうホームには、なかなか巡りあえません。要望に優先順位をつけていきましょう。優れている、劣っているのではなく、そのホームの個性や特性を見比べていきましょう。建物だけでなく、スタッフの表情や介護・看護の技術やマインドをしっかり見定めましょう。加えて、そこに生活する入居者の表情も見れば、施設の雰囲気が概ね分かるものです。すべての条件がかなうホームを探し続けてしまいがちですが、一つひとつの出会いを大切にしていきましょう。

選ばれる前に、ぜひ、ホームの食事を食べてください。また、出来れば居室で宿泊してみてください。ネットなどで探すことは効率的であり、また、意向に合った施設と思われがちですが、何より自分で見学・体験することが大切です。それも早いうちに…。

洛和会ヘルスケアシステムのシニアの住まいと相談窓口

洛和会ヘルスケアシステムでは、京都・滋賀を中心に、介護付有料老人ホームやサービス付き高齢者向け住宅、グループホームなど、シニア向けのさまざまな住まいを運営しています。見学も随時受け付けていますので、お気軽にお声掛けください。
住まい選びのご相談は、洛和会入居相談センター TEL:0120(045)507をはじめ、居宅介護支援事業所 音羽 TEL:0120(856)833などで応じています。また、お近くの区役所窓口や、地域包括支援センター(高齢サポート)でも相談することが出来ますので、お気軽にご利用ください。

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