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定期巡回サービスってなぁに?

~ご自宅で自立した生活を送るために~

投稿日:2019年12月4日 更新日:

はじめに

「定期巡回サービス」という言葉をご存知の方はいらっしゃいますか? やはり少ないですね。正式名称は「定期巡回随時対応型訪問介護看護」です。私たちは「定巡」という略称で呼んでいます。今日はまだできて歴史の浅い、このサービスについてお話しさせていただきます。

定期巡回随時対応型訪問介護看護とは

定期巡回随時対応型訪問介護看護は、2012(平成24)年から全国で始まった地域密着型のサービスです。要介護の方の在宅生活を24時間支える仕組みで、日中・夜間を通じて、訪問介護と訪問看護が一体的にまたは密接に連携しながら、定期巡回と随時の対応を行います。

サービスの内容は図を見ていただくと分かりやすいと思います。急に動けなくなったりしたときに「みまもり携帯」で通報すると、ヘルパーが駆け付けるシステムもあって安心です。

※以下の画像は全てクリックすると大きいサイズで見ることができます。

「定期巡回サービス」を利用するには

定期巡回サービスは介護保険サービスの一つですから、まず介護保険証が必要になります。介護保険証は65歳になると、市町村から送られてきます。介護サービスを受ける際は、市役所の窓口に申請し「要介護認定」を受け、居宅介護支援事業所と契約しケアマネジャーにケアプランを作成してもらう必要があります。

定期巡回サービスを受けたい方は、その際、ケアマネジャーに「定期巡回サービスを利用したい」と言って相談してください。

定期巡回サービスを利用できる3条件

利用するには、介護保険証を持っていることに加え、3つの条件があります。

  • 1つ目は「要介護の条件」で、介護認定で「要介護」であることが必要です。「要支援1、2」の方は利用できません。
  • 2つ目は「住所の条件」で、住んでいる場所が介護保険で登録している市町村であることが必要です。つまり住民票のある市町村でしか介護保険のサービスは受けられません。
  • 3つ目は、「サービス併用の条件」で、他の訪問介護や訪問看護(夜間対応型含む)との併用はできません。

訪問介護と定期巡回の違いは?

訪問介護はサービス提供が日中中心で、定期巡回は24時間365日対応です。しかし、深夜・早朝のコールの多くは利用者さんの不安によるもので、電話のみで安心していただけることが多く、現実には利用者の皆さんが起きている日中のサービス提供になることが多いです。

利用料金の違い

訪問介護はサービスの利用料金が一つ一つ積み上がっていく仕組みです。また、午前8時前の早朝と午後6時以降の夜間は割り増しになります。一方、定期巡回サービスは定額式で、早朝・夜間のサービスも定額料金に含まれています。

具体的な介護保険の必要単位と利用者負担額は別表の通りです。この表の金額に、デイサービスを利用した際はその分を差し引くなど、通所介護減算なども適用されます。訪問介護の料金と比べると割高ですが、特別養護老人ホームなどの施設に入居するのと比べれば、安くなります。

緊急時の対応は?

訪問介護では緊急時の訪問に対応できませんが、定期巡回サービスでは対応可能です。定期巡回サービスでは、計画作成責任者が介護計画を立てる役割も任されているので、緊急時にすぐ動き、ケアマネジャーに事後報告する形を取ることができます。

定期巡回サービスの強み

写真の器具は「みまもりケータイ®」といいます。利用者さんの自宅と定期巡回サービスのステーションをつなぐアイテムです。ボタンを押すと事業所(ヘルパーステーション)につながります。ステーションには24時間、オペレーターが待機しています。話を聞き、緊急で誰かが行く必要があるときは、付近を巡回中のヘルパーが駆け付けます。

利用者に安心感を持ってもらえるアイテムです。

定期巡回サービスの特徴

定期巡回サービスは幅広い利用が可能で、以下のような点が特徴です。

  • 安否確認だけの訪問も可能で、利用者さんの体調の変化に早く気付くことができます。
  • ヘルパーのみを利用する場合でも、看護師も利用者さんの状態を見るためにお伺いします。
  • 早朝、夜間の加算はありません。
  • 職員が交代で活動に入るため、固定のヘルパーではありません。
  • 訪問介護は、訪問と訪問の間を最低2時間空ける「2時間ルール」がありますが、定期巡回サービスにはそういうルールがありません。

定期巡回サービスの利用が有効な方

定期巡回サービスの利用が有効なのは、次のような方です。

  • 転倒を繰り返す方
  • 病院を退院し、まだ状態が不安定な方
  • 薬の飲み忘れが多い方
  • 自宅で暮らし続けたいと思う方(娘さんが「本人が気楽に自宅で暮らしたいと言っている」と言われ、利用されている方がいらっしゃいます)
  • 自宅での看取りを希望される方(病院を退院後、自宅で暮らし、看取りもしてもらいたいという方もおられます)
定期巡回サービスの利用実例1・服薬確認

短期記憶障害のある一人暮らしの高齢の利用者さんです。1日1回の訪問介護サービスでは薬の飲み忘れが多く見られましたが、定期的な訪問によって飲み忘れがなくなりました。服薬の変更についても訪問看護師と連携していますので、症状の変化も早期に発見できます。

状態によっては短時間に複数回の訪問が可能です。服薬確認や体調の変化により対応が必要なときは、担当のケアマネジャーや訪問看護師と相談して対応します。

利用実例2・退院後の生活が心配

病院退院後の自宅での生活を把握するために、定期巡回サービスを利用されたケースもあります。利用している中で利用者さんの心身状態が安定し、在宅生活が落ち着いたので訪問介護に切り替えられました。

利用実例3・随時対応

ベッドからのずり落ち、排せつミスなどで困っている方から、随時コールが入ることがあります。コールを受けると、事業所の判断でヘルパーが訪問します。また利用者さんの日々の変化も、ヘルパーがケアマネジャーや訪問看護師に報告し連携を取っています。

緊急時に柔軟に対応できるのが、定期巡回サービスの大きなポイントです。安心と適切なケアをお届けします。

定期巡回が目指すことは

利用者さんが住み慣れた地域で一日でも長く快適に暮らすというのが、定期巡回サービスの狙いです。

そういう狙いに沿って、定期巡回では段階を追って仕事をしています。

ステップ1は「できることを奪わないこと」です。洗濯や掃除など、利用者さんができることはご自分でしていただきます。ステップ2が「できることを増やしていく」です。そしてステップ3で「元気に過ごせる」ことを目指します。

利用者さんが安心して暮らしていただくために、自分だけではできないことを支えるのが定期巡回サービスです。

質疑応答から

Q こういうサービスがあるのを初めて知りました。利用するにはどうしたらいいのでしょうか。どこでも来ていただけますか?
A 事業所の所在地が山科区のため、区内に住所がある方のお宅に伺っています(一部地域を除く)。それぞれのお住まいの地域で定期巡回サービスを行っている事業所があるかどうかをケアマネジャーの方と相談されるのがいいかと思います。また各区役所や市役所には、介護サービスの冊子もありますから、参考にしていただけたらと思います。

Q 洛和会ヘルスケアシステムのサービスを受けたいときは、どうしたら?
A 京都市内の各地に当会の事業所がありますから、お問い合わせください。

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