- 開催日:2018年6月15日
- 講師:京都市音羽地域包括支援センター 副係長 介護支援専門員 五十棲 美佳(いそずみ みか)
はじめに
「高齢サポート」とは、京都市で地域包括支援センターに付けられた愛称です。高齢サポートの役割とは何なのか、どんな専門職がいて何を相談できるのか、高齢サポートと地域との関係、活用法などを本日は紹介したいと思います。
高齢サポートってどこにあるの
お住まいの地域包括支援センター(高齢サポート)は、中学校の校区ごとに1カ所ずつ設置されています。山科区内には5つの中学校があり、計5つの地域包括支援センターが活動しています。それぞれの高齢サポートの住まいごとの担当は表の通りです。
※以下の画像は全てクリックすると大きいサイズで見ることができます。
職員は何人くらいいますか
保健師(もしくは看護師)と主任ケアマネジャー、社会福祉士の3つの専門職が必ず配置されています。3つの専門職の人数は65歳以上の方の人数によって異なります。ケアマネジャーの数も違いますが、通常は3~5人で運営しています。
高齢サポートの役割は
3つの専門職ごとに役割を果たしながら、行政機関や区内の高齢サポート、民生委員などと連携します。認知症の高齢者を支えるほか、今問題になっている高齢者への虐待の相談、地域行事への参加を促すことも仕事のひとつです。最大の役割は、65歳以上の方の総合相談窓口になることです。40歳以上65歳未満の人でも介護保険申請の対象になる方の相談にも応じます。相談内容によっては、適切な対応窓口を紹介します。
保健師の役割は
介護予防への支援が第一です。集団健診で介護予防の仕方を学んでもらい、地域で健康づくりや体操の普及をします。また、介護や健康について相談を受け付け、専門的な視点、経験から助言をします。
主任ケアマネジャーの役割
地域と医療機関、介護サービス事業所とのつながりなど、地域のネットワークづくりが基本です。とくに、関わり方が難しいケースでは、その困っていることに対して、どのメンバーが対応すべきかを考え、関係機関に連絡します。地域で抱えきれない問題に直面した場合、地域で不足している社会資源は何かを考え、活用できる新しい社会資源を発掘することも役割の一つです。
高齢サポートと地域
高齢サポートと地域の関係を考えてみましょう。地域には、民生委員や老人福祉員、各学区の社会福祉協議会、自治連合会など、さまざまな福祉関係者がいます。私たち高齢サポートは地域の福祉の担い手と顔の見える関係を築いています。地域で見守る高齢者に援助が必要なことがあれば、私たちに連絡し、ご相談ください。私たちが地域の方と一緒に高齢者を訪問し、必要な援助の仕方を考えます。
社会福祉士の役割は
お年寄りやご家族のお金の管理が重要です。認知症や知的障害のため、ご本人が物事を判断できない場合、本人の権利を守る援助者(成年後見人)を指定する制度の利用や情報提供することができます。また、振り込め詐欺の被害に遭うなど、消費者被害についての対応や被害防止を図るなど、犯罪に巻き込まれた際の心得を広げます。高齢者が家族などから虐待を受けているときは、ケアマネジャーや地域住民と連携を行い、その対策や防止に努めます。虐待通報は義務化されています。通報を受けても、だれが通報したのか分からないようにし、状況が改善するまで、継続して経過を把握していきます。
他機関との連携
行政や警察署、消防署など管内の公的機関との定期的な会合に出席し、高齢者の行方不明などの際は協力します。認知症の高齢者の行方が分からないときは、ご家族もご心配でしょう。早期に発見し、保護するのが何よりです。各地で認知症サポーター養成講座なども行われています。5人以上の参加があれば、開催可能です。小学校や警察署、郵便局でも開催します。ほか、歯科医師会が行う「歯のひろば」もあります。地域行事や地域での各種の会合への参加を呼び掛けます。
認知症にどう対応
認知症は早期に発見し、地域で対応することが大切です。近所で道に迷い、困り果てた人を見かけることもあると思います。ご本人やご家族は隠したいのでしょうが、放置すれば症状はますます進みます。「あの人は大丈夫かな」と気が付いた際は、高齢サポートに連絡し、対応をみんなで考えましょう。また、老人だけの世帯で、長い間、ごみを出していない家を見かけた際は、要注意です。なぜ、ごみ出しができないか理由を見極め、「ごみ屋敷」にしない対応も必要です。そんな際もお知らせください。
まとめ
いつまでも、住み慣れた街で暮らし続けられたら、と多くの人が思っているはずです。そのためにも、健康寿命を少しでも長くしたいものです。気を付けていても、家の中で転んでしまう、外出先で転倒する不安を覚えるようになれば、大きな事故になる前に対策を考えるべきです。日ごろから介護予防に取り組むことが大切です。自分が認知症になっても、暮らし続けられる地域になるようにみんなで力を合わせましょう。
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