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~介護保険ってどんなの?~

投稿日:2019年1月25日 更新日:


はじめに

私は洛和会医療介護サービスセンター西京桂店でケアマネジャーをしています。介護保険制度は複雑で、3年ごとに改正され、細かいところまでは本日の時間ではお話しすることはできません。そのため、本日は大まかな内容になります。

介護保険サービスは居宅系サービス(在宅)と施設系サービスに分けられ、私自身は自宅で生活されている方を担当するケアマネジャーですので、居宅系の内容になることについてもご了承ください。

皆さんの中に、介護保険をすでに利用されている方はいらっしゃいますか?またはご家族、お知り合いの方で利用されている方はいらっしゃいますか?すでに少し知っているという方もいらっしゃるかと思いますが、そういった方はおさらいの気持ちで、また初めての方はサービスを利用するにはこんな感じ、流れだと思って聞いていただければと思います。

まずはクイズからです

  • 第1問目。まず、介護保険サービスが始まった時期について問題です。
    介護が必要になった高齢者を社会全体で担おうという保険方式で介護保険は平成12年から始まっています。今年は平成31年なので、もうすでに19年目になるのです。
  • 第2問目は「介護保険サービスは65歳から利用できる」です。
    これは例外がありますが、基本的には「○」が正解です。例外とは、16種類の病気については40歳から介護保険の対象になっています。
  • さらに3問目です。「介護保険料は20歳から支払っている」です。
    介護保険料の支払いは40歳からなので、答えは「×」です。
  • 最後のクイズです。「介護サービスの利用料は介護費用の1割負担である」です。
    介護保険は平成12年から始まったと先ほど言いましたが、サービス開始後15年間ずっと、1割負担だったのですが、平成27年8月から、一定以上の所得のある方は2割負担となっています。さらに昨年8月から3割負担まで拡大しています。答えは「×」です。高齢者が増えるとともに利用する方も増えてきて、介護保険財政がピンチにあるためです。

※以下の画像は全てクリックすると大きいサイズで見ることができます。

ケアマネジャーとは

ケアマネジャーの仕事とは、介護を必要とされる方からの相談や心身の状況に応じ、適切な介護のサービスが利用できるように連絡調整を行うことです。介護保険法に基づく資格で、5年ごとに更新され、更新ごとにスキルアップしています。援助が必要な方が、どんな暮らしになればいいのか、そのために何が必要なのかを一緒に考えます。

相談は、どこで受けられるのか

相談は、地元の中学校の校区ごとに1カ所設けられている地域包括支援センター(高齢サポート)か居宅介護支援事業所にお越しいただいて受け付けしてます。場所がお分かりにならない場合は、市役所や区役所で問い合わせができます。

高齢サポートは介護や福祉、医療の各面から総合的に支援してくれる公的な地域の相談窓口です。居宅介護支援事業所は、要介護認定の申請や居宅介護サービス計画(ケアプラン)の作成を行う事業所です。「最近、急に物忘れが増えてきた。娘に迷惑をかけたくないし」や「腰が痛くて困る。トイレも近くなったので」など、日常生活の中でお困り事があるときは気軽にご相談ください。

申請から介護認定まで

介護認定を受けるためには、申請手続きをして介護認定を受ける必要があります。市町村の介護保険窓口での介護認定の申請は、要介護認定等申請書と介護保険被保険者証が必要です。介護保険被保険者証は各被保険者あてに届いています。

要支援、要介護状態の区分には要支援に2つ、要介護に5つ、いずれにも該当せずの計8段階に分けられます。要支援者は地域サポートが担当になり、要介護1~5の認定を受けた場合は居宅介護支援事業所(ケアマネジャー事業所)を選べます。京都市の場合は、お住まいの区ごとに介護保険にエリアマップを作成しており、利用するサービス事業所をお選びいただけます。

課題を分析します

今かかっている病気や体の状態、ご家庭の環境などから、これからの暮らしに何が必要かなどをケアマネジャーにお話しください。どうして介護が必要な状態になられたのか、今までどのような生活をされてきたのか、これからどんな暮らしをしていきたいのか、体のこと、家族のこと、家の様子など生活全体についてのご希望を何でもお聞かせください。

あなたのケアプランを作成します

利用者さんのお話に基づき、ご自身で行っていることに加えて、どのようなサービスをどのくらい利用すれば目指す暮らしになるのかを考えます。ケアマネジャーはあなたの生活機能の維持・向上のことを考えて、あなたやご家族の希望とは違うことを提案するかもしれません。決めていただくのはご本人とご家族です。納得ができない時には、そのことを遠慮なくケアマネジャーにお伝えください。

介護サービスの種類には

ケアプランが固まったら、主治医にも相談しながらサービスを提供してくれる事業所を探します。利用するサービス事業所は、利用者さんが選択できます。提供できるサービスには、施設ごとに違います。

訪問介護(ホームヘルパー)は各施設からホームペルパーがご自宅を訪問し、家事のお手伝いや食事の準備、薬の服用などを援助します。通所介護とは、利用者が施設を訪れ、食事や入浴などのデイサービスを受けます。通所リハビリテーションは、施設で主にリハビリを受けます。訪問介護とは看護師が健康確認や身の回りの世話を行うものです。福祉用具貸与も行えます。家庭で使用する介護用ベッドや手すりなどを貸し出すサービスのことです。

施設ごとのサービス内容をよく確かめて事業所を決めてください。

サービス内容の確認は

サービスが始まったら、その後に内容の見直しや変更はできるのでしょうか。目指す暮らしの方向性やケアプランについて、ご本人やご家族、医師やサービス事業者が思いを共有してこそ、サービスを受けた効果が上がります。

サービス担当者会議では、ケアプランに基づき目標に沿ったサービスや取り組みが行われているのか、新たにお困りになっていることや不安に感じていることがないかを確認します。このほか、体の様子に変わりはないか、家族に変化はないか、今のままのケアプランで問題ないかなどをお聞きします。こうしたモニタリングは最低月に1度は開くことになっています。場合によっては、プランを見直すことも可能ですので、ご安心ください。

ケアマネジャーにできること、できないこと

利用者さんと介護施設との橋渡し役を目指すケアマネジャーですが、できることとできないことがあるのはご理解ください。

例えば、利用者さんの入院の手続きです。「入院させてほしい」というお願いは分かるのですが、実際の入院手続きはご本人やご家族でしていただきます。地域にどんな病院があるのかなどはお伝えできても、具体的な手続きは当事者しかできません。引っ越し先を探し、手配をしてという要望も、利用できる制度がないかを調べることは可能ですが、手配などは利用者さん自身で行うしかありません。

対応可能な要望や疑問には素早く対応し、介護保険以外のことも専門家と相談しながら一緒に考えます。

介護保険制度の今後

将来介護保険制度はどうなるのでしょうか。認知症や一人暮らしの方が増えて介護需要が増大する一方、ヘルパーなどの介護の担い手が少なくなる状況が考えられます。このままで行けば、介護保険制度の縮小傾向が出てくるかもしれません。

このような中で、政府は「地域包括ケアシステム」を目指しています。これは、一人一人の暮らしが住み慣れた地域で行われるべきという仕組みで、まず自分でできることは自分でする「自助」、地域でできることは助け合う「互助」、制度でできることは制度で行う「共助」、税金による公的支援の「公助」を組み合わせた制度です。

こうした制度は、高齢者自身が地域社会の担い手として活躍することが期待されます。地域で高齢者が生きがいや社会参加、社会的役割を持つことは、同時に介護予防にもつながるからです。

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