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医療

生活習慣病と上手く付き合うために

投稿日:2017年6月15日 更新日:


はじめに

生活習慣病は、以前は「成人病」と呼ばれていたものです。1996年から現在の名称に変わりました。本日は、生活習慣病の諸症状や予防法についてお話しします。

生活習慣病

生活習慣病は、「食生活」「日々の運動」「喫煙」「飲酒」など、日常の生活習慣が、病気の発生に大きく関わっています。「食べ過ぎ」「運動不足」「タバコの吸いすぎ」「お酒の飲みすぎ」「ストレスをためる」など、乱れた生活を続けていると、さまざまな生活習慣病が発生する危険性が高くなってしまいます。

生活習慣病にならないためには、日頃からの生活習慣を改めていくことが大切です。

生活習慣病のあれこれ

生活習慣病には、「高血圧」「糖尿病」「脂質異常症」などがあります。自覚症状がないまま、気付かないうちに進行し、心臓や脳、血管などにダメージを与えていきます。
その結果、「狭心症」や「心筋梗塞」「脳卒中」など、命に関わる疾患を、ある日突然、引き起こすことがあります。
そのため、生活習慣病は「サイレントキラー」と呼ばれています。

「心筋梗塞」や「狭心症」「脳卒中」などが起こってからでは手遅れです。「高血圧」や「脂質異常症」などの診断を受けたら、生活習慣を見直して前向きに治療に取り組み、それらの疾患の予防に努めることがとても重要です。

医師にかかっている人は医師と相談のうえで適切な対応を、かかっていない人は健康診断をぜひ受けてください。市町村の健康福祉センターなどでも相談にのってもらえます。

メタボリックシンドロームとは

内臓肥満(内臓脂肪の蓄積)があり、「血圧」「脂質値」「血糖値」のうち2つ以上に異常を認める症候群のことをいいます。

※以下の画像は全てクリックすると大きいサイズで見ることができます。

あなたは大丈夫?

普段から、定期的に医療機関を受診したり健康診断を受けていない人に限って、「私は●●だから大丈夫」と安心しきっていませんか? 今一度、ご自身の生活習慣を振り返ってみましょう。心当たりがいくつかあるのではないでしょうか? さあ、チェックしてみましょう。

あなたはいくつ当てはまりましたか?

  • 0個:生活習慣の面で今のところ問題なし。でも、油断は禁物!
  • 1~10個:生活習慣に、少し問題あり。
  • 10個以上:生活習慣病まっしぐらの生活。

何よりも予防が大切!

健康の3本柱は、「運動」「食事」「休養」です。
生活習慣病は、年齢とともに発症が増加します。病気を寄せ付けないために、生活習慣を見直し予防に努めましょう。

食事

適正なエネルギー量の食事をとることが重要です

性別、年齢、身体活動量、血糖値、合併症の有無などを考慮し、エネルギー摂取量を決定します。

通常は、男性が1,400~2,000kcal。女性が1,200~1,800kcalです。

食事は、1日3食、規則正しくとりましょう。血糖値を安定させるためには、食事の時間と量をできるだけ毎日一定にすることが大切です。腹八分目を心掛け、ゆっくりよく噛んで食べましょう。

バランスよく

バランスのとれた食品構成を、指示されたエネルギー量内で。
炭水化物、タンパク質、脂質のバランスをとり、適度のミネラル、ビタミンを摂取できるようにし、いずれの栄養素も過不足にならない状態を心掛けましょう。
加齢とともに、感覚機能が低下し、味覚、嗅覚も鈍くなります。以下の食事バランスガイドを参考にしてください。

運動

毎日行うことが基本です。少なくとも週3日以上、実施しましょう。運動により、心肺機能の向上や血糖コントロール、脂質代謝の改善や血圧低下、インスリン感受性の増加が認められます。

  • 有酸素運動は、酸素供給に見合った強度の運動で、継続することによりインスリンの感受性がアップします。
  • レジスタンス運動は、おもりや抵抗負荷に対して動作を行う運動です。筋力アップの効果が期待できます。

運動療法の注意点

運動療法は、禁止・制限したほうが良い場合もあり、医師の指示に従いましょう。食後1時間頃の時間が望ましいですが、実生活の中で実践可能な時間であればいつでも構いません。また、運動療法を行ったからといって、食事療法を怠ってはいけません。

ストレス解消法

以下のような方法が、ストレス解消に役立ちます。

  • 入浴:体を温め血行を促進します。気持ちをリラックスさせます。ぬるめのお湯でゆっくり入りましょう。冬場は脱衣室を温めておくことを忘れずに!
  • 肩と首をもみほぐす:首は、左右にゆっくり回すだけで十分です。肩は、腕を回してもみほぐすほか、肩もみをします。
  • 軽いストレッチ体操:特に腰のひねりや、足の筋を伸ばす体操をします。
  • ツボ刺激:首や手のひら、足の裏を押さえます。免疫力を高める効果があります。
  • 呼吸法:背筋を伸ばして、鼻からゆっくり肺の奥まで息を吸い、ゆっくりと口から吐き出してください。
  • 音楽療法:音楽は免疫力を高め、病気の治療にも役立つといわれています。好きな音楽が一番です。
  • 笑い:免疫力を高めるとともに、病気や認知症の予防にもなります。
  • 睡眠:睡眠を十分にとりましょう。

おわりに

生活習慣病は、生活習慣を変えない限り、予防・改善は見込めない病気です。
健康を目指して、今日から何か一つでも始めてみましょう。

質疑応答より

Q 運動はどの程度、強くしたらいいのですか。
A 個人差がありますが、それぞれの方にとって「ややきつい」と思える程度がおすすめです。

Q どこを鍛えれば良いのですか。
A 高齢者は、転倒しないことが大切です。そのためには、足の筋肉を鍛えて、体のバランスを保ちましょう。スクワットや、かかと上げで、ふくらはぎの筋肉を増やすことができます。

Q 有酸素運動とレジスタンス運動のどちらをしたらいいのですか。
A 答えは、「どちらも必要」です。有酸素運動は、長く続けないと効果が出ません。レジスタンス運動は、息を止めて行う「筋トレ」です。ストレスにならない程度で結構ですから、「ややきつい」程度で続けてください。

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