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ご存じですか? 介護保険の使い方

投稿日:2019年4月4日 更新日:

介護保険とは?

介護保険とは、1997(平成9)年12月に制定された介護保険法によって誕生した保険制度です。法律の施行は2000年4月ですので、サービス開始から19年の歴史があります。介護が必要になった高齢者が適切な介護サービスを受けられるよう、社会全体で支援するものです。急速に高齢化が進み、少子化や核家族化などによって家族だけで介護者を支えることが困難になったことが背景にあります。制度は3年に1度、見直しが行われますので、改めて制度の基礎と最新の情報を知ってもらい、サービスを受ける際の参考にしていただきたいと思います。

高齢化が進む京都市

下の表は、京都市内の65歳以上の人の人口比率です。介護保険サービスが始まった2000年と現在を比較したものです。
現在、高齢者比率は京都市全体で27.8%ですから、4人に1人が高齢者に当たります。東山区では3人に1人以上です。山科区の31.0%、伏見区の28.4%と続きます。
日本の中で高齢者比率が最も高いのは、秋田県の35.6%、最も低いのは沖縄県の21%です。

※以下の画像は全てクリックすると大きいサイズで見ることができます。

介護サービスを受けられるのは

介護サービスを受けることができる人(被保険者)は、次に掲げる人たちです。65歳以上の方で、介護が必要または日常的に支援が必要だと認められた場合です。65歳未満でも、40歳以上の方は関節リウマチなど老化に起因する16種類の疾病を有する場合、第2号被保険者として支援が受けられます。
被保険者証は65歳以上の方には自宅に郵送されています。40歳から64歳の方には通常は発行されていませんが、指定の疾患で介護認定された場合には発行されます。
介護保険料は京都市の基準額で月額6,600円です(2018年~2020年)。65歳以上の場合、本人の所得や世帯収入に応じて原則11段階に設定されています。1年以上保険料を滞納すると、一旦全額を負担する必要があります。2年以上経過した場合は納付できなくなり、自己負担が3割~4割になってしまいます。

サービスが必要になったら

もし、介護サービスが必要になったら、まず市町村(京都市の場合は区役所)の介護サービスの受付窓口や地域包括支援センター、居宅介護支援事業所、民生委員、または各病院の相談員にご相談ください。まず、介護保険は相談から始まります。申請はご本人かご家族、代理申請でも結構です。本人がお住まいの市町村の窓口に、介護保険申請書と介護保険被保険者証を添えて申し込めば受理されます。
サービスが利用できるかは、まず1次判定として市区町村の担当者、または委託されたケアマネジャーが訪問する聞き取り調査によります。聞き取り調査は、腕が上がるか、足にまひはないか、体の移動はどうしているかなど計74項目から成ります。そして、市区町村から、主治医に対して意見書の作成を依頼します。
2次判定では、1次判定の結果と主治医の意見書、その他の必要事項をもとに介護認定審査会が開かれ、要介護認定区分の判定を行います。

サービス利用の流れは

要介護認定区分は、要介護の場合なら「要介護5」から「要介護1」までの5つに分類して通知されます。要支援なら「要支援1」か「要支援2」の2分類、要介護と要支援に分類されない場合は「非該当」となります。
その後、介護サービス計画、介護予防サービス計画の作成に移ります。そのサービス計画を立てるのが、ケアマネジャーと呼ばれる人です。

ケアマネジャーは「人生の伴走者」

ケアマネジャーというのは、介護に関する専門職で、介護や支援を必要とする人をサポートします。本人に、どのようなサービスが必要なのかを把握して、ご本人とご家族の意向に合わせてケアプランを立て、適切なサービスが受けられるように事業所や自治体などと連絡や調整をします。
ケアマネジャーへの相談経路はさまざまあります。市町村の窓口のほか、地域包括支援センター、病院の相談窓口、そしてケアマネジャーがいる居宅介護支援事業所に直接相談する利用者さんもいます。
そのほか、知り合いやほかの利用者さんからの紹介などでも結構です。ケアマネジャーのことを「人生の伴走者」とも言います。利用者さんの希望や要望に寄り添いながら利用者さんの生活の質を向上させる責任ある立場です。

介護保険にも限度額が

利用できる介護保険には、要支援、要介護の認定区分ごとの支給限度額は、下の表の通りです。
月額の単位に約10円を乗じた額が支給限度額になります。限度額を越えて利用した場合、超過分は自己負担になりますので、注意が必要です。
要介護、要支援認定を受けた人には負担割合が記された「介護保険負担割合証」が交付されます。利用者負担割合は基本的に1割、所得に応じて2割または3割の方もいます。
※これ以降に記載している利用料は、全て1割負担で算出したものです。

訪問介護には生活支援と身体介護

訪問介護は、ホームヘルパーが利用者さんの自宅へ直接訪問して介護サービスを行うものです。
調理や洗濯、家事といった「生活支援」と入浴や排せつ、食事の介助などを行う「身体介護」から成ります。
まず、生活支援ですが、掃除や生活必需品の買い物代行のほか、食事の準備や調理、薬の受け取り、衣服の整理など、基本的には利用者さんの身体への接触がないものを指します。1回あたりの利用料は45分以上60分未満なら約272円で、同居のご家族がいる場合は基本的に利用できません。
これに対し、身体介護は食事の介助や清拭、入浴や排せつ、就寝の介助、着替えの介助、体位の交換など、直接、利用者さんの体に触れて行うサービスを指します。1回あたりの利用料は1時間約480円です。ただ、利用者さん以外の衣類の洗濯や調理、買い物、利用者さんの居室以外の掃除や草木の水やり、草むしり、犬の散歩やペットの世話、お正月や節句などの特別な調理、大掃除や窓のガラス磨きなどは依頼できません。また、お酒やたばこの購入もできません。家政婦さんとヘルパーさんの役割の違いをお分かりいただけたでしょうか。

通所介護とは

通所介護とは、デイサービスセンターに自宅から通い、食事や入浴などの支援、生活機能向上のための機能訓練やレクリエーションが日帰りで受けられるサービスです。通所介護には通常型のほか、短時間の運動特化型や入浴特化型、認知症対応型など、さまざまなデイサービスがあります。
このほか、通所リハビリテーションといい、老人保健施設や病院、診療所などのデイサービスセンターに通い、食事や入浴などの支援や専門職によるリハビリテーションを日帰りで受けられるサービスもあります。この場合、要介護1の利用者で7~8時間の滞在で約782円です。要介護度や滞在時間で料金は異なり、食事代やおやつ代が必要な場合があります。

訪問看護、短期入所とは

訪問看護とは、主治医の指示に基づき、訪問看護ステーションや病院、診療所の看護師がご自宅を訪問し、利用者さんの健康チュックや健康上のお世話をするサービスです。1回あたりの利用料は30分から60分未満で、訪問看護ステーションの場合は約874円、病院または診療所の場合は約609円です。
短期入所とは、老人ホームなどに短期間入所し、食事や入浴、排せつなどの日常生活の介護や機能訓練などが受けられるサービスです。1日あたりの利用料は要介護1の場合、約667円です。別途に食費や滞在費がかかります。
このほか、介護保険サービスでは、日常生活を送るのに支障ある場合、ベッドや床ずれ防止用具や歩行器、手すり、スロープなどの福祉用具を借りることも可能です。また、在宅生活に支障がないように、身体状況に配慮した住宅の改修にかかる費用の9割を支給する制度(ケアマネジャーが作成した理由書が必要で、1住居1人の認定者あたり20万円まで)があります。衛生上貸与になじまない入浴用具や排せつ用具の購入費の9割を支給する制度(年間10万円まで)もありますので、必要な場合はケアマネジャーにご相談ください。

施設サービスもいろいろ

家庭での介護や支援による生活が継続困難な場合は、施設の介護サービスが必要です。介護老人福祉施設(特別養護老人ホーム)は、日常生活において常に介護が必要で、在宅生活が困難な方の介護や健康管理を行います。原則は要介護3以上の方が対象です。
介護老人保健施設では、医学的な管理の下で、介護や看護、機能訓練、その他必要な医療を行い、ご自宅の生活に戻れるように支援します。要介護1以上の認定が必要です。
このほか、認知症対応型共同生活介護(グループホーム)というものもあります。認知症のある高齢者がそれぞれの個室を持ち、少人数制の家庭的な雰囲気の中で、介護職員の支援を受けながら共同生活を行うものです。要支援2以上の認定が必要です。
こうした施設以外でも、小規模多機能型居宅介護では、利用者さんの状態や希望に応じて、通いを中心に「訪問」や「泊まり」を組み合わせたサービスを提供します。

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