- 開催日:2018年3月22日
- 講師:京都市中京区地域介護予防推進センター 健康運動指導士 木場 裕美子(きば ゆみこ)
はじめに
地域介護予防推進センターは、高齢者がいつまでも元気に過ごせるよう、京都市が市内12カ所で委託運営している機関です。私は中京区の高齢者を対象に、体操指導などを担当しています。本日は、頭と体を使った体操をご紹介します。
健康寿命を延ばしましょう
健康寿命とは、健康上の問題がない状態で日常生活を送れる期間のことです。平均寿命と健康寿命の間には、男性で約9年、女性で約12年の差があります。
※以下の画像は全てクリックすると大きいサイズで見ることができます。
上の図は2010年のデータです。このほど2016年のデータが公表され、それによると男性の平均寿命は80.98歳、女性は87.14歳と、さらに延びました。
一方、健康寿命も延びているようですが、平均寿命との差(何らかの介護が必要な年月)は、ほとんど変わっていないとみられます。この差を減らすことが、一人一人が最後まで生き生きと暮らすためにも、医療費の増大を防ぐためにも重要です。
認知症が増えている
認知症とは、脳の病気などさまざまな原因で脳の細胞が死んでしまったり、働きが悪くなったために、認知機能(分析する、記憶する、思い出す機能)が低下し、普段の生活に支障をきたしている状態が6カ月以上続いていることを言います。
認知症の人は年々増えており、2020年には人口の8.9%(13人に1人)にあたる292万人が認知症と推測されています。
認知症と物忘れの違い
物忘れは、誰でも起こり得ます。ただ、健康な物忘れと認知症による物忘れは異なります。例えば「昨日の夕飯、何を食べた?」と聞かれたとき、食べたことは覚えているが何を食べたかは思い出せないのは、健康な物忘れです。食べたこと自体を忘れているのが、認知症による物忘れです。
脳の仕組みと働き
脳の部署ごとに異なった役割を担っています。全体の指令塔は前頭葉で、思考や記憶などをつかさどっています。小脳は、大脳での記憶を保存しています。
運動で脳を活性化
脳の活性化には、運動が効果的です。運動することで、脳細胞を活性化させます。
特に指を使った運動は、脳の血流を良くし、注意力・認知力をつかさどっている(前頭葉)部分を刺激すると言われています。
実際にやってみましょう
以下のような運動にチャレンジしましょう。
歌を歌いながら
歌を歌うことには、次のような効果があります。
- ストレス解消
- 血圧を安定させる
- 口腔機能を良くし、おいしく食事ができる
- 音程やリズムをとることで脳を活性化させる
- 楽しく運動を行える…など。
歌うだけでも以上のような効果がありますが、手足や頭の体操を一緒に行うと、大きな“脳活”効果があります。
有酸素運動も効果的
有酸素運動には、ウォーキングや水中ウォーク、チェアビクス(いすを使って行う)、エアロビクスなどがあります。これらを続けることも、お勧めです。
まとめ
脳の活性化に効果があるのは運動だけではありません。塗り絵、計算、音読など、さまざまなことに取り組んでもらうこと、“脳を使うことをやめないこと”が大切です。
新しいことに興味を持って、さまざまなことに挑戦し、いつまでも元気で生き生きとした生活を送りましょう。
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