- 開催日:2017年7月4日
- 講師:介護事業部 NO1課 主席係長 介護支援専門員 松清 洋子(まつきよ ようこ)
はじめに
本日は、私たちが要介護状態になった場合、自分らしく過ごせるために、小規模多機能型居宅介護がどんな役に立てるのかをお話しします。
介護が必要になるということは
「身体上、あるいは、精神上の障害により、入浴や排せつ、食事などの日常生活に支障があると見込まれる状態のこと」を指します。
介護が必要になる方は、高齢化の進展に伴い増え続けると推測されていますが、これに対し支え手となる15~64歳の現役世代の人口はむしろ減る傾向にあります。このため、年金制度にしても介護保険制度にしても、支え手側の負担が重くなる一方です。
現役世代の負担を少しでも減らすためには、元気な高齢者が支え手側に回るなどの方策が望まれていますが、小規模化機能型居宅介護の仕組みも、無縁ではないと考えられています。
※以下の画像は全てクリックすると大きいサイズで見ることができます。
ある夫婦の話
昭和21年生まれの和夫さんは、同い年の悦子さんと夫婦二人暮らし。会社を定年退職後も週3回の嘱託(しょくたく)で働いています。長男は独身で東京で働き、長女は車で15分のところに家族と暮らしています。
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「最近、何かおかしい」
週に3日、自宅から歩いて15分の駅から地下鉄に乗り、勤務先に向かう和夫さん。「あれ、和夫さん、今日は出勤の日でしたっけ」…と、出勤の日を間違えたり、行き先の違う電車に乗ってしまって遅刻する、仕事の相手との約束を忘れる…などのトラブルが目立つようになりました。
(認知症の初期症状である、物忘れや見当識障害が現れ始めたのです)
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そんな日々が続き…
「会社に迷惑を掛ける、家族にも隠せない」
妻と認知症専門医を受診し、今後について相談しました。その結果、初期の認知症と診断され、「介護保険のサービスを利用しましょう」と勧められました。
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介護保険にはどんなサービスがあるかを、洛和会ヘルスケアシステムのホームページで検索すると、以下のようにさまざまなサービスがあることが分かりました。
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「どの介護サービスが適しているのだろう?」
和夫さんは「まだ、私にもできることがあるのに、朝から夕まで通所介護施設に行くの?」「行きたい日、行きたくない日があるかも」「妻は仕事をしているので、負担をかけたくない」…と悩みます。
こんなとき、選択のキーワードとなるのは、「私らしく、暮らすこと」です。それを実現するサービスとして、小規模多機能型居宅介護は有力な選択肢になるでしょう。
小規模多機能型居宅介護とは
文字通り、小規模で、多くの機能が利用できるサービスです。さまざまなサービスを組み合わせて使うことができます。
「思い」や「願い」を大切に
洛和会ヘルスケアシステムの小規模多機能では「できないことを手伝ってもらう介護」から、「できる能力を生かして生活することの支援」に力を入れています。その人らしさや、それまでの生活の継続を大切に、「○○したい」という思いの実現に努めます。自宅で暮らし続けながら、必要なサービスを有機的に組み合わせられるのが小規模多機能の強みです。ほかの介護保険サービスでは難しいサービス内容の急な変更など、柔軟に対応できる点も特徴です。
具体的な例①-ときどき泊まる
以下のようなスケジュールを小規模多機能のケアマネジャーと立てました。
- 通い利用を通じて、職員の見守りのもと、趣味の時間や家事活動による役割を持つ:
自信の回復、精神的な安定につながる。 - 通い慣れた場所に泊まる:家族の休息、自己実現の時間を確保できる。
具体的な例②-何度も自宅に来てもらう
以下のようなスケジュールもあります。
通いで外出するのではなく、自宅に訪問⇒自宅で介護を受けられます。
一般の訪問介護(ホームヘルパー)との違い
安否確認のような短時間の訪問が可能です。お手伝いする内容を柔軟に変えることができます。時間当たりの費用負担ではなく、何回来てもらっても月額は一定です。
利用料金について
介護保険による要介護度別の利用料金(京都市の場合、認知症の程度などによる加算あり)は以下のとおりです。
よくある質問
以下に、よくある質問と答えをご紹介します。
いつでもご相談ください
洛和会へルスケシステムには、以下のような小規模多機能施設があります。このうち、洛和看護小規模多機能サービス壬生は看護小規模多機能型で、看護師が常駐していますので、医療行為が必要な利用者さまの場合も対応が可能な医療行為の幅が広がります。具体的な行為内容は、個別のご相談となります。
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