- 開催日:2018年12月5日
- 講師:洛和ヘルパーステーション丸太町 係長
介護福祉士 南井 淳子(みない じゅんこ)
はじめに
京都市民長寿すこやかプランに「健康長寿のまち京都」をうたう一節があります。
「高齢者一人一人が、自らの意志に基づき、住み慣れた地域で、互いに支え合い、生き生きと健やかに暮らせる」というものです。これを実現するために、地域の高齢者の生活をサポートしているのがヘルパーです。
本日は、ヘルパーがどんなことをしてくれるのか、どうしたらヘルパーが来てくれるのかなど、ヘルパーの仕事について詳しくお話ししたいと思います。
介護保険の対象になるのは
介護保険の対象となるのは、まず65歳以上の第1号被保険者の方です。
寝たきりや認知症などが原因で、排せつや食事などで介助が必要な方、掃除や買い物など日常生活行為に支援が必要な方です。加えて、第2号被保険者と呼ばれる40歳以上65歳未満で医療保険に加入している方が介護保険の対象になります。初老期にあって、認知症や脳血管疾患など、老化に伴う特定疾病で介護や支援が必要な方です。
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介護サービスを受けるには
介護サービスを受けるには、まず介護認定を受ける必要があります。介護認定には、大きく分けて要支援と要介護の2種類があります。
要支援は自立度の高い生活を送っておられる方が該当し、要介護に認定される方は自立した生活を送っていただけるようヘルパー支援が必要な方です。同じ要介護でも要介護1から要介護5まで数字が上がるほど重度になっていきます。要支援の場合は、総合事業というサービスを受けることができ、要介護認定の場合は身体介助、生活援助などの介護サービスを受けることが可能です。
こんな時に支援します
最近、足腰が弱くなり、外出がおっくうになり、料理や掃除、洗濯がつらくなってきた。こんな場合、介護サービスを受けることができるのでしょうか。
介護保険は自立した日常生活を営めるようにするのが目的です。ヘルパーがお手伝いすることで、ご本人の意欲を引き出し、自分でできることを一つでも増やし、自立を助けるのが狙いです。ですから、「掃除機が重くて大変」と思うときには、ヘルパーが掃除機をかけますし、腰が悪くて、床の拭き掃除ができないときには、代わりに掃除を行います。利用者さんには掃除道具の準備や後片付けなど、できる範囲でのお手伝いをお願いしています。
利用者さんの能力を最大限活用してもらえるように支援していきます。
食事の準備で手伝えることは
利用者さんの能力を最大限活用できるような方法でサービスの提供を行うことは、既にお話ししました。具体的に食事の準備で利用者さん自身が手伝えることは何でしょうか?
まず、献立を考えることができます。食材を準備することもできます。利用者さんによっては皮むきなどの下ごしらえや味付け、盛り付け、食事の後片付けもできます。ヘルパーの役割は利用者さんの意向に添い、できない事をお手伝いすることです。
手伝うことによって、日常生活に張り合いをもって生活することができます。
身体介護とは何か
利用者さんの体に直接接触して行う介助を身体介護といいます。日常生活を営むために必要な機能向上の介助や専門的な援助を指します。
具体的には排せつの手助けや着替えのお手伝い、ベッドから車いすへの移乗や移動、食事の介助です。入浴する際の転倒を避けるために、手を差し伸べることも身体介護の一つです。清拭(せいしき)や足浴、手浴も同じです。また、デイサービスなどへの送り出しや施設から帰宅の迎え入れも含まれます。出発される際には、服薬など持ち物確認、玄関までの移動もお手伝いします。
生活援助も行います
利用される方が独居の場合や、ご家族が障害者の場合や病気のときなど、やむを得ない事情によって家事を行えない際はヘルパーが生活援助を行う事ができます。個々の訪問介護計画書に基づく必要な援助が受けられます。
掃除や洗濯のほか、一般的な食事の準備や調理、衣服の整理や補修など基本的には利用者さんの身体に触れないサービスが可能です。ただし、本人以外の部屋の清掃やご家族のための家事、一般的な家事の範囲を超える家具や電気器具の移動や修理、部屋の模様替え、お正月や節句など特別な手間を掛けて行う食事の調理も介護保険の対象にはなりません。
○○さんと同じサービスは無理
身体状況などに合わせて、必要なサービスはそれぞれ異なります。皆さんが同じサービスを受けられるわけではありません。ですから、ご近所の方と同じサービスをヘルパーに求めても、それはできません。
なぜなら、ヘルパーが行うサービスはケアマネジャーが、ケアプランをもとに行っていることなのです。「○○さんと同じようにヘルパーさんにお願いしたい」という要望にはお応えできないのです。
費用負担は、どのくらいですか?
では、介護サービスを受けたとき、利用者さんの費用負担はどのくらいでしょうか。
要支援と要介護では負担額が違います。また、サービスの中身でも負担額は違います。例示したのは、訪問介護・身体介護を行った場合で、1割負担の場合です。30分未満で293円、30分以上で1時間未満のときは464円です。
ヘルパーは雨の日も風の日も利用者さんが待っておられるため、自転車・バイクで伺います。サービス日の変更もできます。一生懸命、笑顔でご自宅を訪問させていただきます。
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